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2019-09-20

ロバート・フランク


   以下、K*Mopa (Kiyosato Museum of Photographic Art) のウェブ・サイトより抜粋

   「1947年、フランクは、23歳でスイスからアメリカ・ニューヨークへ移住し、写真家としてのキャリアをスタートさせます。その後、約15年間集中的に写真を撮影しました。生地スイスからニューヨークへ渡り、南米やヨーロッパへの撮影旅行を重ねた後、自分の写真集を世に出す決意とともに再びアメリカへ戻ります。そして、1958年に写真集『アメリカ人』を発表。自身は、発表直後に映画製作へと身を転じますが、『アメリカ人』は、かつてない大きな衝撃をもたらし、20世紀の写真を大きく変貌させるきっかけとなりました。」

   「即興詩をつぶやくように直観的なイメージ群と、それらを写真集の中で構成する手法は、全く新たな表現世界を提示していました。ドキュメンタリーでも、メッセージでも、決定的な瞬間でもなく、写真家自身が「何かを感じたら撮る」。あくまでも主観的な写真は、それまでの写真のスタイル、枠組みに捉われない自由さに溢れていました。しかも、大胆さだけでなく、細部までの繊細さや緊張感を併せ持つフランクの写真は、同世代の若者やアーティストを中心に、驚きと共感を得るまでに時間はかかりませんでした。やがて『アメリカ人』は、広く世界に受け入れられ、現在では最も版を重ねた写真集となりました。フランクによる主観的な表現の登場は、現代写真につながる劇的な変化をもたらしたのです。」

   「日本国内での大規模な展覧会は本展が23年ぶりとなります。本展では、当館の収蔵作品より、これまで写真集に掲載したことのない未発表の作品を含めた106点を展示いたします。作品はすべて撮影当時に近いヴィンテージ・プリントで、当館がまとまった形で展示をするのは、本展が初めてとなります。」

   「これらの作品によって、若き写真家が、模索と挑戦を重ねた初期の歩みと眼差しを辿ります。」

   「本展が、フランク作品の歴史的価値と今日的意義を明確にする貴重な機会となると確信し、また、あらためて写真との深い対話を交わす機会となれば幸いです。」

   *2019.09.11: 以下、K*MopaのFacebookより。
   大変残念ながら、当館にて展覧会開催中のロバート・フランク氏は、2019年9月10日、カナダのノヴァ・スコシアにて逝去されました。享年94歳でした。

2019-09-19

大原治雄


   ブラジル移民の写真家、大原治雄氏。 (1909 - 1999)
   2016年10月に、清里の写真美術館で写真展があり足を運んだ。
   理由はわからないが「移民」という存在、というより「移民」を選んだ生き方に、なぜか興味を引かれる。 写真に収めたかったものは何だったのだろう。

   *以下一文は、K*Mopaのプレス・リリースより抜粋。
   「大原治雄は、1927年、ブラジルへ移民し、農園を経営しながらアマチュアカメラマンとして活動した後、ブラジル国内で大変高い評価を得ました。大原が日々の暮らしや農の営みの中に見出した様々な美、慈愛を以って自分の家族を撮影した写真等、約180点を展示いたします。併せて大原治雄の孫、サウロ・ハルオ・オオハラの作品も参考展示いたします。」


   明日、この写真美術館へ、ロバート・フランクの写真を見にゆく。 タイトルは、「もう一度、写真の話をしないか」と。 そのタイトルは、親しげにも、ある種の緊張をもたらすようにも響いてくる。 氏もまた、1947年にアメリカに渡った移民だという。 シャッターを押させたのは何だったのだろう?
   前に、「たくさん撮るうちに自分のテーマが見えてくるよ」と言われたが、あれから20年は経ってるんじゃないだろうか、テーマなんて未だに見えていない。 只々「あっ!」と思ったものを撮るだけの毎日。 以前ほどはテーマを見いだせない自分に焦ることはなくなったけれど、あらためて、「もう一度、写真の話をしないか」と問いかけられると、それが親しげな風合いであっても、写真論的なものは殆ど持ち合わせていない自分を透過すると躊躇する。 どこかで身震いを感じつつ肩が縮みつつ、とはいえ、あるがままに「写真の話」をしに、展示された写真に向き合ってみようと思う。
   ロバート・フランク。 この名は、'90年代の始め頃によく耳にしたが、幸いにして氏についてそれほど既成概念はない。 「誰?」から話し始めてみようか。

2012-12-05

Voigtländer Color-Skopar 35mm F2.5 P II


   デザインチーム"groovisons"による展示。 "groovisions Lesson 2012" (2012.7.21-9.9) という、POLA MUSEUM ANNEXでの展示。 ここでは肩に力がはいらず展示と向き合える気がする。


   概要には: 「1994年にgroovisionsが産み出した人型のグラフィックデザイン/システムである「chappie」。 誕生以来不変であったchappieの造形=フォルムが初めてリニューアル、本展でお披露目となりました。」とあった。
   "groovisions"、知らなかったがこの顔は見覚えがある! おんなじ表情にいろいろな"ジャケット"を充てることで、これほどに表情豊かに見えるものかと新鮮な展示だった。
   面白いと思ったのは、この館内で写真を撮るコーナーがあったこと。 撮られるのは来館者で、その全身写真から「chappie」風なその人のイラストを起こして名刺を作ってくれるそうだ。100枚が後日配送されてくるというのだが、イラスト化された自分が100枚も送られてくるというのは、なんだか妙な緊張と期待感にくすぐられる。 料金は¥50,000とのことだった。


   美術館というと「額」に入った絵や写真という印象なのだが、「chappie」は目玉クリップで吊るされていた。 以前、現像したフィルムを乾燥するために、洗濯バサミで針金ハンガーにフィルムをぶら下げ、重りに目玉クリップを使ったのを思い出した。

2012-03-02

Voigtländer Nokton Classic 40mm F1.4 M.C.


   POLA ANNEX MUSEUMを訪れた。 静かな館内には、女優であり歌手である、ジェーン・バーキンの写真が並ぶ。 部屋の奥へと招き入れるように展示パネルが並べられ、撮影者の想いと共に自然と被写体へと向き合ってゆく。


   刹那的な、そうした空気をハイライトに浮かべる不思議な存在感。
   半歩さがって次の写真を探そうとした時、迷路に迷い込んだような気がした。 招きいれるようにレイアウトされた展示ではあるのに、入ってしまうと迷いという心許ない時間の流れに身を置いているような一面に遭遇する。


   ● POLA ANNEX MUSEUM
   写真展のタイトルは "BABY ALONE"、会期は2012年 2月 3日〜3月11日
   美術館のかたにお訊きしたところ「今回は出展者様のご意向で、撮影やブログなどでの公開もどうぞという事なので ---」といただいた。

2011-10-04

新宿ニコン・サロン ~「ごくろうさま:ハワイの日系二世」展

   新宿ニコン・サロンにて、10月18日~10月31日の期間で開催。

http://www.nikon-image.com/activity/salon/exhibition/2011/10_shinjyuku.htm#03


   移民というのは、どの国から来た人も、どの国へ入って行った人も、人並みならぬ苦労があるのだろうと思う。 より良い生活を求めて新たな地に踏み入るも、現地の人々とは対等な立場という事はなく、「労働力」として入植するケースが殆どだろう。

   アメリカ本土へ渡った人々は、馬小屋や貨車に住みながら砂漠のように痩せた土地を耕し、太平洋戦争当時は強制収容所に入れられた。
   ハワイでも同様に農地を耕すが、その頭上をゼロ戦が越え、真珠湾攻撃を経験する。 その後、虐げられた待遇も多々あったことだろうが、今では州議会での日系人の影響力は決して小さくない。

   アメリカに渡った人々以上に苦労したのが南米のボリビアやパラグアイにに渡った人々だろう。 当時の外務省が推した、明治の「元年移民」と呼ばれる流れであり、その宣伝を信じて誰もが楽園を目指したのだが、着いた先では塩分のにじみ出る小さな土地を分け与えられ、ほんの5年前ですら、水道や電気も満足に通っていない生活を強いられていた。

   ハワイに住む知人から、「ハワイの移民の事が知りたかったらビショップ・ミュージアムにいくといいよ」 - と教えてもらい、数年前の滞在の折に「チャンス到来」と機を狙ったのだが、とうとう足を運べなかった。
   アメリカ本土、ハワイへ渡った日系人だが、 一世は働いて富を得て、そしてアメリカ人になろうとした世代だと感じ、同時にその魂は日本人以外の何者でもなかったとも感じる。 二世は、そのあり方と、アメリカで生まれ育ったという事実と戦争という世情の中で、おそらく最も「アメリカ人であるべきか、日本人であるべきか」という「アイデンティティ」を自身に問い、また問われた世代ではないかと思う。

   数年前にハワイでお世話になった日系人は、三世と四世だった。
   しっかりとアメリカに根を下ろした日系三世と、アメリカも日本も心の中に同居する四世。 こうして異国に馴染んでゆく人々の強さを思うと共に、そうした姿には、一世・二世の開拓の苦労をもそこに見る気がしてくる。

2011-07-16

ロバート・キャパ展

   ライカ銀座店に行ってきました。目的はM8の底蓋に貼られた透明のシールが剥がれ出したので、キレイに剥がしてもらうこと。自分でも出来そうにも思えるのですが、既に粘着質のものが底蓋に残っていることもあり'サービス&リペア'への持ち込みをと考えたのです。
   ところが足を運んだのは日曜。'サービス'はお休みでした。店舗が月曜休みというのは覚えていたのですが、'サービス'が日曜も休みというところ、ヌカりました。
その分、2Fのギャラリースペースでしばしゆっくりしてきました。 (下の写真は2007年 8月)


   展示はキャパ展。ヘミングウェイを被写体とした作品が展示されていたのです。そういえば最近はライカ銀座店での展示はチェックしておらず、ちょっとしたサプライズの感ありでした。ロバート・キャパの「ちょっとピンぼけ」という本があり - 原題を'Slightly Out of Focus'というこの本は、もう随分前に写真家(戦争でのドキュメンタリーが多く、地雷が原因で亡くなる)の思考や生活に興味を持って読んだのですが、その壮絶な仕事や情熱に感心したものです。
   展示期間は4月23日〜7月17日で、なんと今の時点であと2日の残です。
   次の7月22日〜9月11日の展示の岸野正彦氏の「パリの微笑みにありがとう」も面白そうです。是非機会を作りたいと思います。


   http://jp.leica-camera.com/culture/galleries/gallery_tokyo/

   この日は1Fで視度補正レンズをいくつか試してみました。レンジファイダーは一眼レフほど接眼レンズの視度を気にしなくてもよいと考えていたのですが、やはり違いが出るものですね。
   ちょうどよさそうなのは -1.5でした。-1.0だと効果がはっきりせず、-2.0ではファインダーを覗いた印象が「強」くて目が搾られるような妙な感触があり、実際にそれで撮ってみると、不思議なものでその画もギラギラと強い日差しを避けるように被写体を避けているようでした。ちょうどよいのは -1.5かな、もうちょっとだけ強いのがよいのですが、モノが0.5ステップなので、-1.5が常用に向いていると感じました。

2011-07-11

スタジオ アルクール展

   シャネル銀座の4F、ネクサス・ホールに足を運びました。  http://www.chanel-ginza.com/nexushall/index.html
映画のようなライティングでポートレイトを撮る、フランスの「アルクール」という写真スタジオの作品の展示です。
画像を載せるのはあまりよくなさそうなので、せめて展示のタイトルと期間、そしてリンクを以下に ---


http://www.chanel-ginza.com/nexushall/2011/harcourt/index.html

ストロボを使い、モデルの動きに任せて撮るのとはおよそ対照的な1枚1枚。この刺激、じんわり効いてきます。
この写真展に行くことを勧めてくれたのは、長年にわたり映画フィルムを中心に専門で扱ってこられた、ある技師の方でした。映画のライティングという事での思い入れもおおきく、また、その方の恩師とも言うべき存在である、とある方の肖像写真を - 「映画的なライティングで、対話しながら2時間くらいかけてじっくりと撮るだろう? その人の内面が引き出されるような写真なんだよ。そういうの残したいなって、思うんだよね」- と語ってくれました。

以前もエリオット・アーウィット展で訪れたことのあるネクサス・ホール。センスいいですね。

2011-07-10

リコー 'RING CUBE'へ

   リコーの「RING CUBE」へ行ってみました。  http://www.ricoh.co.jp/dc/ringcube/index.html

   何度か遠目に「あそこかぁ」と眺めていたリング・キューブですが、ついにふらぁっと行ってしまいました。

   展示は「田中長徳 写真展 ウィーン 街の光・冬の影」で、開期はこの日、7月10日が最終日。
   リコーGXRで撮ったという写真。慣れていそうなウィーンの街を歩き回って切り取って、クールながら踊るような足取りが想像されるそのプリントは、パール調の面質の用紙にインク・ジェットでプリントしたものと見てとれました。どれもスッキリした色合いで、シャープな印象。以前からシャープさで定評のある「リコーGR」シリーズですが、GXRもそのDNAを受け継いでいるのでしょう。レンズ・ユニット交換式という一風変わったこのカメラ。GRでは物足りなかった焦点距離をうまくカバーしているという感じを、歩きながらの街中スナップ写真たちが語っているよう。

   うん、リコーもわるくない。以前はリコーのデジタル・カメラは赤の深みが出ないという印象を持っていましたが、この展示を見る限りでは、全体的なカラー・バランスが勝っているといったところでしょうか。ニュートラル云々とかではなく、よい意味で「リコー色」なのでしょう。街の中に溶け込むにはちょうどよいカメラなのかもしれません。

   ウェブ・サイトを見てみると、リング・キューブで「GXR、CX5の無料貸出し」とあります。試しに利用してみるの、アリですね。