2014-09-30

Voigtländer Super Wide Heliar 15mm F4.5 Aspherical II

Elmhurst Metra Train Station: Chicago to Elburn / Union Pacific - West Line (ex. Chicago to Geneva / Chicago & North Western/West Line)

   M8での、今ンところこれがラスト・ショット。
   なんと、撮影目的でもあった旅の序盤でシャッターが故障した。
   戸外での撮影では背面の液晶表示ははっきりとは見えず、ほんの露出の参考程度にしている。 それもあって異常に気づくのが遅くなってしまった。 画面に、黒い横縞状に光を遮られた部分が見られ、レンズを外すとシャッター幕が1枚外れたように中途半端な位置に見えた。 一応シャッター音は、やや速い遅いのバラツキを感じる違和感があったが特に異音はなく、センサーを見るとそちらは無事。 次に来られる機会があるか分からない土地でのこと、とりあえず恐る恐るのレリーズで数枚は撮影できたが、ついにシャッター幕は噛んで動かなくなってしまった。
   このショット、M8の、この旅の最終ショット。 Oh Myyy!

2014-09-29

Voigtländer Super Wide Heliar 15mm F4.5 Aspherical II

Elmhurst Metra Train Station: Chicago to Elburn / Union Pacific - West Line (ex. Chicago to Geneva / Chicago & North Western/West Line)

2014-09-22

雑感 〜 'f=35mm'の迷い


   Photokina 2014でMマウントの新レンズ発表のニュースが。 次こそ写真を掲載しようと思っていたのについまたレンズの話。
   ZEISSから発表されたのはDistagon T* F1.4/35mm ZM。 これまでBiogonしかなかったこの画角でのDistagonの投入には「新しい価値観」のような期待感を持った。
   後玉と画像素子の距離が短くても、画像素子に光がより均一に届くよう設計されているという。 メーカーのウェブ・サイトに掲載された写真を見ると、ごく素直で使いやすそうな写りで、気張らずとも気の利いた画を残してくれそう。 色のり・色の透明感・シャープさと、なかなか心地よく映る。 これなら筐体の大きさ・重さもそれほど気にならなそうだ。

(写真はZEISSのウェブ・サイトより)

(写真はZEISS、Steve Huffのウェブ・サイトより)

   価格は$2,290だそうだ。 F1.4という明るさ故のやや高めの価格だと思うが、それでもSummiluxからは半分ほどの価格ではないだろうか。 妥当と感じるかはその価値をどこに見いだすかだろう。

   そしてLeicaからはSummarit-M 35mm F2.4 Asph.、Summarit-M 50mm F2.4、Summarit-M 75mm F2.4、Summarit-M 90mm F2.4の4本が。

(写真はライカ社のウェブ・サイトより Summarit-M 35mm F2.4 Asph.)

   上の画像はSummarit-M 35mm F2.4 Asph.だが、何と言ってもこのコンパクトさが捨てがたい。 Summarit-Mと言えば、2007年11月にエントリーモデルという位置づけだったと思うがやはりSummarit-M 4本が発売されている。 今回の、2014年10月の同名レンズの発売まで約7年というのは随分と短く感じる。 両者のコンセプトにはどんな差異があるのだろう。

   VoigtlanderからもMマウント・レンズが2本、Super Wide Heliar 15mm F4.5 IIIとUltron 35mm F1.7が。
   Ultron 35mm F1.7という、名前を聞く限りではDistagon F1.4/35mmとは対照的な渋みのある描写を思い描く。 印象は「影を追う攻めのレンズ」。 前玉の凹レンズも艶かしく、やや無骨な感じのする外観も妙に惹かれる。
   Distagon F1.4/35mmと同じく、画質次第ではこの大きさはあまり気にならないと思うが、これよりひとまわりふたまわり小さいと常用にはありがたい。



   さてさて何とも悩ましい「35mm」レンズの世界。 以下まさに「雑感」---
   Leica M8と一緒に手元にやってきたのはVoigtländer Color-Skopar 35mm F2.5-C。 安価ながらこのレンズ、M8との相性もよく、場の雰囲気をよく捉えてくれなかなか面白いのだが、同じように他のレンズにもそれぞれ特色があるので、時に使い分けたくもある。

   M8シリーズにとって35mmという焦点距離は35mm判換算で約45mmにあたり、感覚としては50mm付近の標準レンズ的な使い方になる。 なのでよく言う「レンジファインダー・カメラには35mmが相性がよい」という「35mm」と、実は50mmっぽい「35mm」のふたつの意識が入り交じる奇妙な画角でもある。
   どちらに軸足を置くのかで「35mm」の見え方が変わってくるのだが、この特殊なセンサー・サイズを持つ2つの機械は既に生産されておらず、いずれは35mm判フルサイズ・センサーのカメラで使うという想定が、さてどんな「35mm」を入手すると先々長く使える1本1本になるだろうかと迷いを呼んでしまう。

   どちらであっても完成度の高いSummicronを頑張って求めるのが最も悩まず楽しめそうに思える。 次に悩まないのがSummarit-Mや、違った次元の楽しみを求めてSummiluxの選択だろう。
   2007年11月に発売されたSummarit-M 35mm F2.5は、その抜け・キレ・写りの渋みからして常用レンズとして安心できる1本となりそうだが、その価格は「35mm」にしては高いと感じてしまう。 と言うのもこのSummarit-M 35mm F2.5、発売当初の市場価格は約15万円、今は値上げを経ての約22万円と、どうしても発売当時の価格を妥当と思ってしまう分で気持ちが遠のいてしまう。 新しいSummarit-M 35mm F2.4 Asph.も25万円前後のようなので、今回の新レンズの投入には市場価格を揃える意味もあったのかもしれない。

(写真はImpress DC Watchのウェブ・サイトより - Leica Summarit-M 50mm F2.5と35mm F2.5)

   サクッとSummicron、Summilux、Summaritが買える懐具合なら悩まないのかもしれないが、そうも行かないところに市場の面白みがあったりもする。
   実際に、新たに発表されたDistagon F1.4/35mmなどはSummiluxを意識しているだろうし、LeicaもZEISSもレンズの性格には大きな違いがあるため「似て非なる」この部分と、もうひとつ価格という消費者をくすぐる要素が織り込まれてくる。
   多くのZEISSのレンズを生産するコシナは、この1〜2年でレンズの描写性能を格段に向上させているように見え、Voigtländer Nokton 50mm F1.5や今回発表のUltron 35mm F1.7も意欲的に向き合ってきた気合いを感じる。 またそうした今なので、ZEISS Distagon F1.4/35mmの完成度にも興味津々。

   コシナのVoigtländerとZEISSのMマウントの「35mm」は、●Biogon F2/35mm、●C-Biogon F2.8/35mm、●Distagon F1.4/35mm、●Color-Skopar 35mm F2.5 PII、●Nokton Classic 35mm F1.4、●Nokton 35mm F1.2 Aspherical VM II、●Ultron 35mm F1.7と、現状7本となった。

   いま所有しているのはC-Biogon F2.8/35mmとColor-Skopar 35mm F2.5-Cで、前者はそこそこ馴染んでいながらもカラー写真ではどこか乾いた感じのするシャープさと、なんとなく弱く感じる色のりなど、後者は時々画力(エジカラ)に弱さを感じるなど気になるところも。
   Biogon F2/35mmは秀逸な"Carl Zeiss"レンズだがどこかしっくり来ず。 Nokton Classic 35mm F1.4はボケがざわざわと見えるのが気になり、Nokton 35mm F1.2 Aspherical VM IIは、外観の似たUltron 21mm F1.8の描写力が好印象だったつながりで興味があるのだが、レビュー記事を見ると「ぐっと重厚な」というよりはハイキーな調子が向いていそうな点と、ボケ味にNokton Classic 35mmに似たものを感じてやや不安も。 となるとUltron 35mm F1.7への期待は自然と高まる。

   というわけで、機種は多いが選択肢が少なく見えてしまう諸々の「'f=35mm'の迷い」。
   大きさ・価格ともに気軽に持ち出せる標準レンズ的な機動性を思うと、VoigtländerとZEISSからもコンパクトでより高画質な「35mm」レンズが欲しいとついつい思ってしまう。 特に所有している先の2機種には、そろそろ新設計で新登場の期待をしつつ、どこかもどかしかった「35mm」の市場は新たなフェーズへ踏み出した感もあり、うっすらとながら迷いの答えが見えて来そうな気もする。


   2015.05.29追記:
   Impress DC Watchに、Distagon F1.4 35mmのレビュー記事「デジタル時代の“新ディスタゴン”現る!!」が掲載された。

2014-09-11

雑感 〜 'Otus' & 'Planar 1.4/85'


(写真は Impress DC Watch より)

   レンズ云々の話題はもういいだろうと思っていたら... ZEISSから新レンズが発表されたというニュースを見てしまった。
   2013年10月 7日に発表されたOtus Apo Distagon F1.4/55mm T*と同じくコシナ製だろう。 Otus 1.4/55mmは展示会で触れる機会があり、その画質も構えた感触も上質だった。 レンズ構成はDistagonで、収差を徹底的に追い込んで高画質を得たというその価格は約$4,000。
   それと同様にOtus 1.4/85mmの価格も相当なものだろうと思って素通りしかけた。 のだが、レンズのヘリに「Planar」の文字を見つけてつい立ち止まった。 「F1.4/85mm」と「Planar」の組み合わせ。 これはなかなか魅惑の響き。

   この組み合わせにつられて記憶が1つ浮かんできた。 それはレンズに使うガラス素材の話で、かつてのCONTAXのCarl Zeiss T* Planar F1.4/85mmは、同じレンズながら「Made in Japan」と「Made in West Germany」とで画質に違いがあり、その理由がガラス素材の違いだという。
   なるほど使ってみると、後者のほうがガラスの透明度が高いように感じ、一般に言われる「ヌケ」とはまた違って、たっぷりじっくりすっきりと光を透過させるレンズ群は、被写体の質感と実体をストレートにフィルムまで届かせ、それでいて色彩はしっかりと乗ってくる。 「Made in Japan」の方は、それよりも僅かに透過する光が減衰しているように感じた。 この「ストレートさ」の弱まりは、あれこれ考えてみた結果ガラス素材に含まれる不純物ではないかと勝手に想像している。
   それとこの「Made in West Germany」のもうひとつの面白さは、遠い異国気質を手にしている愉快さと満足感、遥か彼方へ続く空の広さを感じられる不思議な存在感だった。

   Otus Apo Planar F1.4/85mm T*のガラス素材はどんなものが使われているのだろう。 Otus 55mmは同社のZMシリーズの描写に傾向が似ていたので、おそらく材料としてはそれほどバリエーションは無いのだろう。 ただこの2本のOtusは、現行'ZEISS'の最高性能として徹底的に作り込まれているわけで、所有したときのその愉快感・満足感とは実際どんなものだろう。

(写真は Impress DC Watch より)

   2013年 7月に発表された「Apo Sonnar T* F2/135mm」も「Apo」つながりで思い出した。
   雑誌やネットでの作例を見ると、なんとも言えない軟かな調子と線の細い輪郭、ボケの滑らかさなど、独特の世界が広がっていた。 あらゆる被写体の表面は、まるで「油面」と呼ばれる極めて目の細かなヤスリで職人さんが丁寧に仕上げたような滑らかさであり、流れるような光の繋がりには目を見はった。
   久々に作り手の気迫を感じる1本だと思った。

2014-09-04

雑感 〜 現行 'ZEISS'

   思いがけずの「雑感」つづき。 'touit' 〜 'OEM"、そしてもう一稿と考えていたところに'Loxia'の出現があり、その画質への違和感や過去に発売されたTAMRONのSPレンズとのデザインの類似など、このモミアゲあたりのムズ痒さから再びZEISSレンズの話題。
   touitやLoxiaの存在感、それ以前のCONTAX、SONY、COSINAといったスチル・カメラ用のCarl Zeissにぼんやりと想いを巡らしてみると、現行"Carl Zeiss"で記憶の中の"Carl Zeiss"にいちばん近いのはソニーではないかという気がしてくる。
(ソニーのウェブサイトより: Sony FEレンズ - Carl Zeiss Sonnar T* 55mm F1.8 によるサンプル画像)

   レンズ開発の過程ではカール・ツァイスから「MTF曲線がどうの」などの注文が付き、数値をクリアしたレンズは「T*」コーティングを施されて"Carl Zeiss"や"ZEISS"の名を冠するのだろう。 近年のそうした「基準クリア」レンズ群にはなんとなく不足しているように思う「瑞々しさ」が、ソニーの"Carl Zeiss"にはあるように感じる。

   「ソニーの"カール・ツァイス"は自社設計・自社生産」だと言うが、タムロンから多くのレンズが供給されているメーカーでもあり、旧ミノルタの技術陣も腕を振るうメーカーである。 ミノルタはライカとの共同開発の経験もあり、レンズ設計にはコントラスト・ボケ味・輪郭の線といった視野も大いに加味されていることだろう。
   ソニーの"Carl Zeiss"レンズからそうした様々な「事情」が多少は匂うものの、「これツァイスです」と言われてあまり違和感を感じない。

(ソニーのウェブサイトより: Sony FEレンズ - Carl Zeiss Sonnar T* 55mm F1.8 の外観。 実機は意外と小型軽量)

(ソニーのウェブサイトより: Sony-Carl Zeissレンズのラインナップの一例)

   以下はソニーのウェブ・サイトに掲載されている作例で、Sonnar T* E 24mm F1.8 ZAによるもの。 35mm判フルサイズ・センサーに対応したFEマウントのSonnar T* FE 35mm F2.8 ZAやSonnar T* FE 55mm F1.8 ZA、Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSSなども同様の描写・発色傾向だろう。

(ソニーのウェブサイトより: Sony - Carl Zeiss Sonnar T* E 24mm F1.8 ZAによるサンプル画像)

(ソニーのウェブサイトより: Sony - Carl Zeiss Sonnar T* E 24mm F1.8 ZAによるサンプル画像)

   なぜかSonnarとTessarが多用されているのがSONY-Zeissの特色。 描写トーンにソニー的な統一感を持たせるためなのか、多少なりと小型軽量化のためなのかその狙いはわからないが、ソニー独自の「Carl Zeiss風味」の出し方をうっすら感じつつもPlanarがないのは寂しい気もするし、将来Distagonが発売される期待があったりする。 小型なミラーレス・カメラでのスナップ用として、かつてRolleiの得意技だったSonnar 40mm F2.8 HFTのようなレンズや、Minolta CLEとセットだったLeica Summicron-C 40mm F2.0のようなコンパクトなレンズがあってもよいとも思う。

   クセはなく、でも特徴はしっかり出る画作り、そこそこカメラ任せのAF・AEで使えてしまう手軽さ。 カメラのファインダーが電気仕掛けなのを除いては「こういうZeissもあっていいかも」と思ってしまう。
   現行の"Carl Zeiss"・"ZEISS"としては、SONY製がしっくり来ている今日この頃。

2014-09-03

Voigtländer Ultron 21mm F1.8


   カメラはM8、UV/IRフィルタはHOYA、カメラのメニューではUV/IRフィルタ: ON、レンズ検出あり、6-Bit CodeはTri Elmarのもの。
   画面の四隅はマゼンダに色がついてしまったのでその分はPhotoshopで補正。 不思議なもので周辺がマゼンダになるよりも、6-Bit Codeナシでシアンに傾いている方が所謂「周辺光量落ち」に近いのだろう、見ていて違和感が少なく、6-Bit Codeナシの方が気にならない事が多かった。 Color-Skopar 21mm F4Pでは条件によって思いっきり周辺が緑やピンクに傾いていたが、あれは何だったんだ? と拍子抜けするるくらい違和感がない。
   6-Bit CodeはElmarit-M 21mm F2.8として認識される予定だったのだが、表を見間違えたらしくTri-Elmarとして認識されてしまった。 一応、16mm-18mm-21mmの選択肢が表示されるうち21mmを選んでみる。

   レンズは、しっとりした空気感が同居するシャープさが心地よく、ぐっと濃くなりながらもトーンの乗ったシャドウ部も魅力的。 ボケも極めて素直。 と言いつつその性格を掴んでいるわけではなく、まずは数を撃ってみないとという今。
   ずっしりした重量のわりに持ち歩きを苦に感じる事があまりない。 外付けファインダーをホット・シューに付けたり外したりも面倒ではあるが、何より面白さが勝っているのだろう。

2014-09-02

雑感 〜 ZEISS 'Loxia'

   フルサイズのSony Eマウント用ZEISSレンズが海外で発表された。
   ここでは細かい仕様には触れずレビューもどこにも見当たらない今なので、詳細を求めて来られた方、悪しからずです。


   "Loxia"というシリーズでのネーミングからすると、"Touit"と同じく「あくまでもZEISSから発売されます」という事なのだろうか。
   とりあえず、ZEISSのウェブ・サイトに掲載されているパンフには作例があり、それを見る限りではあまり触手は動かなかった。 作例の印象は、画面全域に均一ではない冷温調、シアンに変化しながら弱々しく色が抜けてゆく空のハイライト、MID-HIGHに力強さが見られない、ZEISSにしてはなんとなく淡い色調、シャドウにかけての重厚さが物足りない... これってコントラストが弱いという事か!? ... なのだが、フルサイズ用のレンズであるところに、なぜか少し安心感を覚える。 これって、「あなたの心のスキマお埋めします」かも。

   発表された2本は、Planar F2.0/50mmと、Biogon F2.0/35mm。



   Loxia 2/50・Loxia 2/35、両者マニュアル・フォーカスだそうだ。 どうやら値段もTouitと似た感じ。 B&HではBiogon 2/35が$1,299.00、Planar 2/50が$949.00となっている。

   ちなみに... "これ↓"に似てるという記事も。 (Digital Photography Reviewより)



   2015.02.12追記:

   さて"Loxia"についてその後 - ZEISS関係者の話によると「製造はTAMRONでもSIGMAでもありません」とのこと。
   色味についても、気になっていた「中間調が殊に軟らかい印象」のことを尋ねると、LoxiaのボディとなるソニーのEマウント機、これらは総じてフランジバックが短いわけだが、これが意外とレンズ設計で苦労するようで、更に35mm判フルサイズのα7シリーズでは制約が多々あるという。 「中間調に感じるというその特徴は、制約のなかで諸収差を追い込んで行った結果じゃないかと思います」と返ってきた。
   また、「LoxiaはZEISSがやりたいようにやって出来たものです」とも。 となると「心のスキマ」どころかド真ん中な製品ということになる。 どことなく先の口調には、ソニー製 ZEISSはソニーの意向が多分に盛り込まれているといった印象を持った。 ちなみにソニーの関係者曰く -「ソニーのZEISSは、企画の段階からZEISSと一緒に共同開発ですから、まんまZEISSです」と。
   しかし... TAMRONでもSIGMAでもないとなると、「ZEISSが思いっきり仕事できるメーカー」で思い浮かぶのは1社なのだが...。

   "Loxia"、"Touit"、Sony ZEISS - 個人的にはどれも一長一短とも思え、なかなか客観的にどれが良いのかは答えが出ない。 言って見ればどれもZEISSの基準に合致しているし、レンズごとに被写体に対する得意・不得意はあるかもしれないが、どれもモノとしては「良い」のだろう。 「あとは好み」と言ってしまうとそれまでだが、思っていた以上にレンズの立場から見たソニー α7シリーズはジャジャ馬な一面があるようだ。 広角レンズを使用するときの画面周辺でのマゼンダ被りの問題もしかり、その実、なかなか奥深い「規格から発生する制約」の迷路は、まだ入口をくぐったあたりなのだろう。 ただLoxiaにとっては、「迷路」でもなく単純明解な一本道にも見える。 それはおそらく製品の性質が、ボディーのメーカーであるソニーのレンズと焦点距離が大きく被っていながら「挑戦」ではなく、只々Carl Zeissの「答え」だから。
   ソニーの純正レンズも、Mマウントはじめ社外品のレンズも、このボディに対してどうアプローチが展開されてゆくのか興味津々。

   もうひとつ、「Loxiaの特徴としては、Eマウントなのに絞りリングがあるんですよ」と加えてくれた。 絞りリングとピントリングの回転方向の規則性も、他社レンズと違った特徴があるのだそうだ。 なるほど。 言われるまで意識しなかったが、MFレンズとしての作り込みは、こうしたところにもあったのかと感心した。

   ヨドバシカメラのウェブ・サイトにカール・ツァイス社へのインタビュー記事があったので以下にリンク。
   http://photo.yodobashi.com/live/photokina2014/interview/carlzeiss/index.html

2014-09-01

Voigtländer Ultron 21mm F1.8


   横田基地への引き込み線。 青梅線からこの線に入るらしい。
   週に一度あるという噂の貨物便だがお目にかかったことはない。 線路には銀色に鈍く光る線があるので間違いなく列車の往来はある。
   横田は空軍の基地なので大抵の物資は飛行機で運べると思うのだが、鉄道の担う荷物とは一体どんなものだろう。 週に一度の貨物列車はいつ廃止になってもおかしくないようにも思え、その希少性や、法律上はカリフォルニア州である「その先」へ消えて行く未知な存在感には「○○遺産」的な貴重さを思ってしまう。