2013-08-31

Voigtländer Color-Skopar 35mm F2.5 Classic


   横田基地の南東の角あたり。 この上空を「ジャンボ・ジェット」の愛称を持つボーイング747や、「ギャラクシー」と呼ばれるロッキード C5などが飛来する。 近く「オスプレイ」も配備されるという話もあるが、軍事基地であるという以上に、すぐそこがアメリカ合衆国のカリフォルニア州であるところに惹かれる。
   これだけ近いのに、本来は遥か海を越えた異国。 この法的な絶対的距離感は、もしかしたらアメリカ本土のカリフォルニア州よりも遠いのではないか。

   まだ基地の脇を走る国道16号線が、片側1車線で路肩の土けむりを巻き上げてバスやトラックが走っていた頃のヨコタとは、周囲も基地も時代とともに様変わりしてきたが、この距離感だけは如何ともし難い。

2013-08-26

CONTAX Carl Zeiss T* Vario-Sonnar F3.5-4.5/28-70mm


   芙蓉の涼しげな花と葉が目に入ってちょっと寄り道。
   ひと月前は、夕方には萎れてしまっていた花だが、この日は夕方にも花が開いていた。 暑さがそれだけ和らいだという事だろうか。
   芙蓉で、「酔芙蓉」というのがある。 朝に開花したときには白い花が、時間が経つにつれてだんだんに赤っぽく変化し、夕方には鮮やかな濃いピンク色になる。 その少しずつ赤らんでくる様が、酔ってゆくように見えるのだ。 「酔芙蓉」とは可笑しな、大胆な名前にしたものだ。

2013-08-19

CONTAX Carl Zeiss T* Vario-Sonnar F3.3-4.0/28-85mm


   近くに水源があるらしい。 湧水だというのだが、考えられるのは7〜8kmほど北にある「水なし川」。 地中に潜った水が湧き出す場所がこの小川の水源だという。
   数十年ほど前は水源近くには池があり、ボート遊びが出来たという。 その200mほど下流のこの写真の地点は特に護岸も整備されていない小さな川だったのだろう。 今は川底や護岸を石で造り、この周辺約300mほどの長さは浅めに出来ている。 夏にはよく子供が水遊びをしている。 大きな鯉、小魚、アメリカ・ザリガニ、水鳥もくる。
   川底の大小の石によって、水面には様々な模様が作り出される。

2013-08-18

CONTAX Carl Zeiss T* Vario-Sonnar F3.3-4.0/28-85mm


   雲のきれいな夕景に出会うと、ちょっと得した気分。
   カメラを持ち歩いていて夕焼けに遭遇するというのは、夏がいちばんチャンスが多い。 夕景を追いかけるように電車に飛び乗って移動しても、着いてみたら期待が外れてオレンジやピンクの空にならないなんて事も。 台風の後には広大な夕景が広がる事も多いが、台風はあまり歓迎という感じでもない。 穏やかに暮れて行く広い夕景が、いちばん贅沢な1日の締めくくりかな。

   むかーし、アイダホで見た、遥か遠くの山並みを浮き上がらせる柔らかいピンク色に向かって、空高く藍色から、それこそ天の半球全てを使って描き出された、夕刻から夜にかけての大きなグラデーションに身震いしたことを、時々思い返す。

2013-08-09

残暑の風景






   Voigtländer Color-Skopar 35mm F2.5 Classic

2013-08-03

Voigtländer Color-Skopar 35mm F2.5 Classic


   このレンズ、コシナにピントの調整をして頂いてから、性格が変わったかのように空間の描写に変化が出たような気がする。 まさに「ピント外れ」ではなくなった、この感触は心地よい。
   レンズがスクリュー・マウントであるためか、バヨネット・マウントであればピタっと合うハズの位置にズレが生じるのだろう、その旨をお伝えしての調整依頼だったのだが、調整後は非常に感覚的・感触的にレンズとの対話にシャープな手応えが出てきた。 それまではややまったりと、空間の不思議な「間」を得意とするレンズだと感じていたが、それに足して対象物への眼差しが強くなったと思う。

   夏とはいえ夏至をひと月半弱も過ぎ、あたりの植物の中には秋の準備をしているのか? と思える季節感が混じって来ている。 これからまた猛暑がやってくるとの予報だが、トンボの優雅に飛ぶ姿や、まもなく薄茶色になりそうなフサフサのネコジャラシや、日差しの赤っぽさなど、夏が去ってしまった虚しさを思う日は、もうそう遠くはなさそうだ。

   ベンチに目がゆき、撮り終えて川沿いを歩く。 「ノスタルジックな思い出」という言葉がぼんやり浮かぶ - 今日ここで撮った写真の全体的な印象の事だ。 よく考えると妙な言葉なのだが - この光線具合によって束ねられた記憶が... くすぶって出て来た感想だ。