2019-09-19

大原治雄


   ブラジル移民の写真家、大原治雄氏。 (1909 - 1999)
   2016年10月に、清里の写真美術館で写真展があり足を運んだ。
   理由はわからないが「移民」という存在、というより「移民」を選んだ生き方に、なぜか興味を引かれる。 写真に収めたかったものは何だったのだろう。

   *以下一文は、K*Mopaのプレス・リリースより抜粋。
   「大原治雄は、1927年、ブラジルへ移民し、農園を経営しながらアマチュアカメラマンとして活動した後、ブラジル国内で大変高い評価を得ました。大原が日々の暮らしや農の営みの中に見出した様々な美、慈愛を以って自分の家族を撮影した写真等、約180点を展示いたします。併せて大原治雄の孫、サウロ・ハルオ・オオハラの作品も参考展示いたします。」


   明日、この写真美術館へ、ロバート・フランクの写真を見にゆく。 タイトルは、「もう一度、写真の話をしないか」と。 そのタイトルは、親しげにも、ある種の緊張をもたらすようにも響いてくる。 氏もまた、1947年にアメリカに渡った移民だという。 シャッターを押させたのは何だったのだろう?
   前に、「たくさん撮るうちに自分のテーマが見えてくるよ」と言われたが、あれから20年は経ってるんじゃないだろうか、テーマなんて未だに見えていない。 只々「あっ!」と思ったものを撮るだけの毎日。 以前ほどはテーマを見いだせない自分に焦ることはなくなったけれど、あらためて、「もう一度、写真の話をしないか」と問いかけられると、それが親しげな風合いであっても、写真論的なものは殆ど持ち合わせていない自分を透過すると躊躇する。 どこかで身震いを感じつつ肩が縮みつつ、とはいえ、あるがままに「写真の話」をしに、展示された写真に向き合ってみようと思う。
   ロバート・フランク。 この名は、'90年代の始め頃によく耳にしたが、幸いにして氏についてそれほど既成概念はない。 「誰?」から話し始めてみようか。