2012-12-26

Voigtländer Color-Skopar 35mm F2.5 Classic


   Voigtländer Color-Skopar 35mm F2.5、このレンズの面白いところは何と言ってもこうした不思議な空間描写。
   M8でいくつかのレンズを試し、初めに手にしたレンズというひいき目もあるのかもしれないが、このColor-Skopar 35mmがわりにしっくりと馴染む。

2012-12-22

Voigtländer Color-Skopar 35mm F2.5 Classic


   多摩西部のとある駅舎にて。 撮影は6月なのだが、夕方の光線とはいえ 見ているとなんだか冬のような空気の感触。 ほぼ記憶通りなのは、光のやわらかさか。

2012-12-15

浅草の地下街で



   浅草の地下街のいちばん奥から「カタカタカタカタ」音がする。 小さな看板と、入口を開け放った部屋の奥には男性が一人。




   どうやらミシンを操り革製品の製作中で、リズミカルに手足を動かす背中からは、勢いよく熱気が湧き上がるよう。




   「福ちゃん」でやきそば食べて、またいつか行ってみよう。

2012-12-12

雑感 〜 Pentax Q10


   あるウェブ・サイトを開いたら「chappie」がいた。 つい先日アップロードした画像がまさにそれで、脳としては実に新鮮な出会。

   Pentaxの小さな一眼レフ。 オリジナルはフィルム全盛期に発売され、ポケット・カメラ用の"110"(ワン・テン)というサイズのフィルムを装填する一眼レフ「auto 110」だろう。

   そう言えばずっと前に、同社への要望に「デジタル版で "auto 110"の再来に期待」と書いたことがある。同じように考えた人は多かったのだろう。 気がつけば、この小さな「Q シリーズ」も二代目になって価格もこなれ、手のひらサイズの小さなボディに似合う「商品」になってきたと感じる。
1/2.3"という小さなイメージ・センサーがために購入という対象にはなり難かったのだが、コンパクト・カメラとしてよくよく見れば、意外と十分だなと思えてきた。


   メインのカメラが、当然ながら最も手にするカメラになる。 それでカバーできない画角と機動力に小さめのミラーレス一眼がちょうどよいと思う。 が、Olympusが画質も大きさも良いと思うものの価格が高め、ならばSony NEX-F3あたりならセンサーも大きいし手頃だろうと思うが、NEX-6ならファインダーが付くという欲も出て、結局は割高な選択になり話が変わってくる。 なら「プライベートで使うんだ、Canon EOS Kissと割り切って手持ちのSigmaを付ければコスト的にも性能的にも見合うじゃないか」となる。 ただそれなりの重さが気分としてしっくり来ない。 「撮影!」と気合いの入るところはそれ以上の装備でもよいくらいだが、普段カバンに入れておくならずっと小さくてよい。 と、この二代目Pentax Q シリーズが急に気になりウェブ・サイトを訪問してみた次第。

2012-12-07

Apple iPhone 4S


   スーパーの端っこにある花屋にて。
   バラというと、アブラムシやうどん粉病や黒カビに弱くて育てにくいという印象がある。 身の回りで元気に咲いているバラは、1970年頃によく見た赤い大輪のものではなく、蔓性で元気に伸びて、小さめの花をたくさん付けるモッコウバラなどが多い。 何でも、アメリカで産出される種は、寒さ暑さにも、病気や害虫にもわりと強いという。
   興味があるのは小振りな花をつけるオレンジ色のバラと、ややグレーがかった薄紫のバラ。 もう植える場所が無いのだが、どこが産地か気になるところ。

2012-12-05

Voigtländer Color-Skopar 35mm F2.5 P II


   デザインチーム"groovisons"による展示。 "groovisions Lesson 2012" (2012.7.21-9.9) という、POLA MUSEUM ANNEXでの展示。 ここでは肩に力がはいらず展示と向き合える気がする。


   概要には: 「1994年にgroovisionsが産み出した人型のグラフィックデザイン/システムである「chappie」。 誕生以来不変であったchappieの造形=フォルムが初めてリニューアル、本展でお披露目となりました。」とあった。
   "groovisions"、知らなかったがこの顔は見覚えがある! おんなじ表情にいろいろな"ジャケット"を充てることで、これほどに表情豊かに見えるものかと新鮮な展示だった。
   面白いと思ったのは、この館内で写真を撮るコーナーがあったこと。 撮られるのは来館者で、その全身写真から「chappie」風なその人のイラストを起こして名刺を作ってくれるそうだ。100枚が後日配送されてくるというのだが、イラスト化された自分が100枚も送られてくるというのは、なんだか妙な緊張と期待感にくすぐられる。 料金は¥50,000とのことだった。


   美術館というと「額」に入った絵や写真という印象なのだが、「chappie」は目玉クリップで吊るされていた。 以前、現像したフィルムを乾燥するために、洗濯バサミで針金ハンガーにフィルムをぶら下げ、重りに目玉クリップを使ったのを思い出した。

2012-12-03

Leica Elmarit-M 28mm F2.8 Aspherical


   こうした機器というと、レコード・プレーヤーとオープンリール・デッキ、そしてスピーカーが何と言っても反応のツボである。
   ElectroVoice EVF-1152D、展示会で思わず写真を撮ってしまったのだが、スピーカーは旧来のこの形が最も惹かれる。 ちなみにスペックはと言えば:
  ・再生周波数: 40~21kHz (2way)、出力音圧レベル: 101dB、許容入力(連続): 600W、(ピーク): 2,400W
  ・クロスオーバーFreq.: 1,300Hz、8 Ohm、低音ユニット: DVX3151A (15")

   ということでデータを見ていると、固めで押し出す感じの低音が楽しめそう。 家庭用ではないけれど...。
   ElectroVoiceは、"S60"という比較的小型のスピーカーを使った事がある。P.A.用という雰囲気の音ではあったがジャズ・ボーカルの中域の柔らかさや、ジャズなど小編成のセッションでの音場、またテクノハウス系を痩せさせずに前に出してくるあたりなど、安価なクラスながら造りは本気であることを思わせた。

2012-12-02

Leica Elmarit-M 28mm F2.8 Aspherical


   東京は多摩地区のとある街。 はじめてこの地を訪れたのは、もう20年ほど前のこと。
   当時の駅前のバス・ロータリーや、ひと時代前のデザインといったデパートの建物は、随分と姿を消していた。 前に撮った写真を見ると、行き交う人々の表情には「土地の色」が色濃く見て取れるのだが、最近はそれがだいぶ薄れて見える。
   さてこの街、新しくなろうとしているのだろうが、"地"の彩りを希薄にしてどのような方向を見いだすだろうか。


   たしかどこかに、この酒屋さんが営業していた頃の写真があるはずだ。 この中華料理屋さんもずっと変わらぬ佇まい。
   青梅線の延びる地域は、いま急速に変化を試みている。 街の使い勝手はよくなり、建物は似たような建材をまとってピカピカ。 これも"今"の街の風景だ、だからこれはこれで写真に収めようと思う。 ただ少し、ひとりごとのように「多摩遺産」と呼んでいる風景たちが消えてゆくのは、何とも名残惜しい。

2012-12-01

Cosina Carl Zeiss Biogon T* F2.8/28mm


   f=28mmという、小さな花のカットには不似合いなレンズではあるが、このレンズには「50cmまで寄れる」という特徴がありこれが様々な場面でなかなか便利。
   距離計は連動範囲外になるので目測での撮影になるが、まぁまぁ納得というくらいにはピントが来てくれる。
   この白い花のタンポポは「関東タンポポ」と呼ばれるらしいが関東圏でもあまり見たことがない。 じつは関東の、とあるどこかで群生していたりするんだろうか。

2012-11-29

Cosina Carl Zeiss Biogon T* F2.8/28mm


   弱い日差しをうけるやや古びた壁。 無意識ながらこうした色調を「東京の風景」のひとつと感じていたようだ。 こうした、世帯ごとの生活を尺度とする風景を街並みに見ることも、また随分と少なくなったように思う。
   コシナ製ビオゴンのなかでもこのBiogon 2.8/28mmは遠近感や抜けが柔らかく感じられるが、その醸す懐古感は独特。これも... "レトロ・フォーカス"とは言わないのかな...。

   ちなみに"レトロ・フォーカス"タイプのレンズとは、結像する位置(フィルム面)を後方(レトロ)にしているという意味で、レンズ構成として見るとレンズ群が全体的に前寄りに配置されるという状態になる。 1950年にアンジェニューによって市販されたのが初めとのこと。 Carl Zeissでは"Distagon"がこの構成に該当するようで、この銘は、レンズの後玉とフィルム面の間にミラー・ボックスという一定の空間を必要とする一眼レフ・カメラ用に多く用いられている。
   以前、ヤシカ製のCarl Zeiss Distagon F2.8/25mmを使っていたが、画面周辺に向かって強まる程よい広角系の歪みも心地よく、ヌケ・色調・画面の奥行きともに描かれる空気感は秀逸で、その記憶を辿りつつ、いつかDistagonを手にBiogonとの特質比べをしてみたいと思う近頃である。
 
    参照: Wiki Pedia

2012-11-28

Voigtländer Color-Skopar 35mm F2.5 P II


   美術館の開館時間にはやや早く着き、近くを散策。
   東照宮は始めて足を踏み入れたのだが、本殿は残念ながら改装中でお目にかかれず。観光案内が流れるスピーカーの声に気になる「おばけ灯篭」という単語。訊けば鳥居を出たところに7mの高さの灯篭があるというので歩をとるが、ぱっと見では視界に入らず、よく見ると林をかぶるように「おばけ灯篭」の姿が。


   気になる「東照宮売店」だが、なかなかお店に入ろうという時間帯で遭遇できない。

2012-11-26

Voigtländer Color-Skopar 21mm F4 P


   気になる - 銅板の装飾を施した建物。はじめてこの手の装飾を見たのは確か高円寺。 いまでもあるだろうか。 いつかなくなるのだろうと思いつつ、神田や上野などで時々目にすると、なんだかほっとする。
   日中「よく見える」環境での銅板の、乾いたマットな緑色もよいのだが、この日は早朝の上野にいて、澄んだ冬の空気を通った朝日が斜めに当たり、この、銅の濃く黒ずんだ錆を際立たせた独特の重厚感という違った一面に目がいった。
   躯体が元気な限り、こうした風景を楽しませてもらいたいと願う。

2012-09-13

雑感 ~ 映画フィルム生産終了

   東京新聞では2012年9月13日付、"WebDICE"では10日 9:29(PDT)での発表。
  富士フィルムが映画フィルムの生産を終了というニュースである。

   フィルムが表現する質感は、デジタル全盛の現在でも、あらゆるCMで使われ映画に多用されるように、その役割は大きいと思っていた。 つい3ヶ月前に「フィルムに迫る質感です」と、あるカメラのデモを見せてもらい、確かに感嘆はした。
   ここ数十年の時間の流れから客観的に見れば、「フィルム」は今は当たり前の存在に見えるが、実は「フィルム」にとって戦争や商業を通して急速に発展した20世紀は、ごく特殊な期間だったとも思う時がある。
   それは、フィルムがプロの現場で信頼を得たように、この先はデジタルが、単に媒体選択の問題ではなくいよいよ時代そのものになろうという、逆らい難い時流に迫られているという感覚を呼ぶ。

   フィルムにおける、光を化学反応で定着させるこの手法は実に情報量が豊かで、低温下であればその保存性も、現在世にあるあらゆる媒体よりも高いと言える。 その根拠の1つは、この半世紀ほど、物によっては約1世紀という期間での実績にあるわけだが、その世界がひとつの終止符を打ってきたわけだ。
   以下の東京新聞の記事にあるように、「国の文化政策」として、この分野の保護というのはあってもよいと感じる。

   こうなると一方、デジタル・アーカイヴという分野が、きちんと実用レベルと胸を張って言えなければいけない時期を迎えている。
   映像が淘汰で消えてゆくのは歴史の変遷だが、意図せずいつのまにか消えていた - では、マズい事も多々あろう。
   映像保存用のフィルムは生産を続けるとの事。 ただしこれは、デジタル上映非対応の映画館のために取った措置という話もあり、その継続性は数年の見通しという見方もあながち遠くないというところだろうか。 とりあえずの立ち位置である「保存用」だとして、今後も市場の原理には逆らえないという状況も出て来ようが、なんとかこの分野には頑張ってもらいたい。

   画像: 富士フィルム ウェブサイトより
   以下の記事: 東京新聞より


富士フイルム 映画フィルム生産終了
2012年9月13日 朝刊

   富士フイルムは12日、映画用フィルムの生産を終了することを明らかにした。国内で唯一生産していたが、来年春ごろをめどに終える。映画業界ではデジタル化が急速に進んでおり、採算が取れなくなったという。映画用フィルムには、主にカメラでの撮影用と映画館での上映用の二種類があるが、両方の生産から撤退する。
   映画業界では、映像の編集や加工、配給のしやすさなどからデジタルカメラでの撮影が広がり、フィルム需要が急減している。原材料価格の高止まりもあり、富士フイルムが七月に値上げを発表したところ、十分な需要が確保できなくなったという。富士フイルムは1934年の創業時から約80年間、映画用フィルムを生産してきた。ただ今後も、映画の長期保存向けに専用フィルムの生産は続けていくという。
   海外では、米イーストマン・コダックや欧州のアグフアなどが映画用フィルムを生産しているという。

文化失われる
   フィルムとデジタルの両方で映画を撮影した経験のある大林宣彦監督の話 残念というより悔しい。フィルムは「行間を読む」といったしみじみとした味わいの作品を生んできた。映画は科学文明が生んだ芸術なので、技術の進歩に伴う社会情勢の変化として、経済効率の悪いフィルムがなくなる事情は分かるが、映画文化にとっては大きな損失だ。フィルムとデジタルそれぞれに良さがあり、選択肢があることが豊かな文化だ。文化が失われる象徴的な出来事であり、企業も犠牲者だ。国の文化政策に関わる問題ではないか。

   以下の記事: WebDICEより
   EXCLUSIVE: Fuji has given us some detailed information about its plans following our exclusive report Friday that it will stop manufacturing motion picture film.
   The company, which handles about 20% of studio business, says that “due to the significant demand decrease resulting from digitalization in the industry,” Fujifilm plans to discontinue “some items” in its motion picture film products. Fuji says the discontinuation date has not been determined.
   Products to be eliminated include Color Positive Film, Color Negative Film, B&W Positive/Negative Film, Intermediate Film, Sound Recording Film, and High Contrast Panchromatic Film. But the company says it isn’t closing the entire motion picture department. It will continue to provide archive film stock (ETERNA-RDS, which won the Academy Scientific Engineering Award in 2012), lenses for shooting cameras and screening devices, media for data storage, digital data archive services and its on-set color management system (Image Processing System IS-100). Film “is considered the best solution for archival preservation,” which is why it will continue to make the ETERNA-RDS stock, Fuji says.

2012-09-10

Voigtländer Nokton Classic 40mm F1.4 M.C.


   暑さに歩き疲れた頃、目に入ったちょっとした「涼」。 風鈴の音や打ち水の似合いそうな道端の風景。

2012-09-09

Leica Connection ~ ハービー・山口氏 トークショーへ


   トークショーに出かけて行った。
   写真展には時々足を運ぶのだが、トークショーを目したのは初めてのように思う。
   久々の土曜。 街が休日色をしていて、トークショーの会場も人がたくさん。

   ハービー氏のライカとの出会い、ライカを通じての人との出会い、人の写真を撮った時のエピソード、人々との出会いの話、そしてハービー氏の座右の銘と生き方 等々、内容は多岐に渡った。


   始め氏は、緊張して見えた。 こういう場は慣れているだろうになぁ、そう思った。 その話の内容には飾りっ気がなく、「緊張」と映ったそれは、おそらく氏の真摯さなのだろう。 そしてそれは語感・行間に滲み出てくる感がある。 数々の話題からも経験豊かに過ごされたこれまでを知る事ができるが、今に至るそうした話の中には、"思い切り"のようなトーンを感じた。 それは過去、自分の好きなところも嫌いなところも、思いきって受け止めてきた氏の真剣勝負の結果なのかもしれないと感じた。
   なかなか、自分自身に思い切るというのは簡単ではないように思う。 「誰かのために自分ができること」そう言ってたっけ - その思いが何かを越えさせるのだろうか? 実は、たぶん肝心なそこがモヤモヤしているのだが、トークショー、行ってよかったナと思う。

   今、ハービー氏は東日本大震災の被災地のため、「HOPE」というシリーズで写真を撮っている。
   写真集は「HOPE」、「HOPE 311」とシリーズを重ね、写真販売などを通しても寄付を行っている。
   現地で人々と出逢い、「撮らせてください」 - 「撮ってくれ」 - そう返ってくる互いの近さが更にまたハービー氏の、また写った人々と相互に活力へと直結するのだろう。


   さて - 写真は好きなのだが、実は写真家やカメラマンについての知識はすこぶる薄い。 ハービー・山口氏も... 実は近年までよく知らなかった。
   以下の写真はハービー・山口氏のウェブサイトからの引用なのだが、この「Snowy Day」との最初の出会いは、ある画像共有を目的とするウェブサイトでの、言ってみれば拾いものだった。 まさかプロの写真が転用されていると思わず、「こんな写真が撮れるヤツがいるのかぁ、何でもない窓の下の景色だろうに、一気にその場に気持ちが持って行かれるこの吸引力はいったい何だ!? いつかこういうのを撮るぞ」 と思ったのだった。
   それがつい最近になって、「ハービー・山口」という写真家の作品だと知った次第である。 どうりで... だ。 ハービ氏も、ハービー・ファンの諸氏も、これを聞いたら呆れることだろう。 時代こそ違えど、ドアノーやブラッサイ、エリオット・アーウィットと同様、こうした、醸す「人間臭さ」が伝わってくる写真家はそう出会えるものではない。 「呆れ」とは、「それを知らなかったなんて...」である。 同じく、もう少し早く出会いたかったと思う。 ただ良かったのは名前からではなく、作品からハービー氏の世界に引き込まれたことだ。

   もちろんハービー氏の名は以前から知ってはいたが、その作品の作者だと知った瞬間は、自分の思いが「その名」に結びついた瞬間だった。 それは - 自分にとってこの「Snowy Day」には、凝縮された、もう20数年前にアメリカのオレゴン州の小さな街で過ごした がむしゃらと静寂の日々、まさにそのまんまの感触があったのだ。

   From: Herbie Yamaguchi Web Site

   こちらはジャズ・ピアニストの上原ひろみ の動画、YouTubeより。
   トーク・ショーの朝、テレビ番組で紹介されていたのがこの上原ひろみなのだが、これを通してハービー氏が反応したのは「小さい頃にピアノを弾くと、周りの人が笑顔になるのが嬉しくてピアノを弾き続けた」という言葉だったようだ。
   周りの人を笑顔にする術 - なるほど写真との共通点。 いい楽器との出会い - ライカとの出会い。なるほど。


   http://www.youtube.com/watch?v=zkMcHUULU_A
   http://www.youtube.com/watch?v=hftj2jne4xU&feature=related
   http://www.youtube.com/watch?v=FKGwIjqdm3A&feature=related


   こちらはトーク・ショーの最後にハービー・山口氏が撮影されたカット。
   写っているのは参加者である。 何でも、ハービー氏が撮った人々には末広がりの幸運がやってくるという。 ここに掲載するにあたっては、顔がハッキリ見えないよう解像度を下げているのだが、それぞれの笑顔が見づらくなってしまったのが残念なくらいの和んだ空気。

2012-09-08

雑感 ~ Carl Zeiss ハイエンド・レンズ

From: Carl Zeiss Blog

Carl Zeiss stand at photokina 2012.

   During photokina 2012 in Cologne (September 18-23), Carl Zeiss will present attractive new products as well as its well-known classics, all of the highest technical quality. Among them will be a new moderate telephoto lens for SLR cameras which will celebrate its world premiere at photokina and be available in stores from the end of 2012.

Prototype of the new high-end lens with focal length 55 mm and f/1.4.

   A must-see attraction is a high-performance, full-format SLR camera lens with manual focus. With a focal length of 55 mm and aperture of f/1.4, this lens is the first model of a new product family designed for demanding users. Thanks to a newly developed optical design, this lens is superior to conventional full-frame lenses, and it achieves with powerful full-frame, full-format cameras an image performance that until now has only been seen with medium-format systems. The first prototype of this new range will celebrate its world debut at photokina. The family of lenses is expected to be on the market in the second half of 2013 for EF bayonet (ZE) and F bayonet (ZF.2).

   Another highlight will be the presentation of a design study, with which Carl Zeiss will offer a sneak preview of a new family of autofocus lenses for mirrorless system cameras (CSC) that will most likely be available in mid-2013. Due to their performance and high speed, these new lenses will be ideal for deliberate photo composition, making them perfect for more sophisticated photographers as well. Carl Zeiss plans to initially offer fixed focal lengths in the wide angle and standard range as well as a macro. „The trend toward mirrorless system cameras has accelerated since 2010 and we notice growing interest for them among ambitious photographers.

   Carl Zeissレンズに新展開の模様。 Zeissのブログに載せられたプロトタイプのレンズの姿は、これまでからは大きな流れの変化を予感させるもの。 一体どこが製造するのだろう? と、気にならずには居られない。
   近年製造されてきた、コシナ製のCarl Zeissも味があり、旧来の物よりもキレが良く、ピントの山も掴み易くて使いやすい。 しかしながらヤシカの製造していた時代のCarl Zeissの持つなだらかなボケ味なども忘れがたい。 同時代の"Made in West Germany"と刻印されたPlanarなどは言葉を失うほどの空気感を写した。 そしてこの2つの時代の中間にはソニーからもCarl Zeissレンズが発売され、Planar 1.4/85mmなどの、また独特の味で魅力的な"Carl Zeiss"が誕生している。
   今回発表された「プロトタイプ」は、なんとなくこのソニー製の外観を思わせる風である。 来年2013年後半にはキヤノン EFマウントとニコン Fマウントにて発売という事のようで、同じく2013年中期には、ミラーレス・システム向けにも、標準・広角・マクロといったラインナップを予定しているようだ。

   ソニーEシステム以外にも、ニコン 1マウントとキヤノン EOS Mマウントが出てくると面白いとは思うのだが、まずは APS-Cサイズのセンサーを用いたソニーEマウントとキヤノン EOS Mマウント、あとはシェアの問題で Micro Four Thirds向けというあたりが妥当なところだろう。

   現段階では未知な事が多すぎて、あれこれ期待が膨らんでしまう。
   来年2013年後半の動きになるということなので、それに向けてあれこれとカメラ・ボディーを着せ替えるようにウィンドウ・ショッピング(ネットサーフ・ショッピング)を楽しめそうだ。

2012-09-07

Voigtländer Nokton Classic 40mm F1.4 M.C.


   長い階段を登った先にいた、何ともひょうきんな風貌の双眼鏡。


   灯台の心臓部 - レンズと電球。 「灯台の電球ってこんなに小さいのか」と、思わず声に出そうな驚きだった。 そう言えば映画の映写機の電球もそれほど大きなわけでもなく、レンズで集積された光が強力にフィルムを透過して遠くまで届く。
   発光ダイオードのような狭い色域の光源ではなく、様々な色調を含む白熱球だからこそ道標になるのだろうと、漠然と考えていた。


   三浦の海沿いの岩場という印象のひとつがこうした植生だ。
   特に理由も、植物的な知識の基礎もないのだが、これもまた漠然とながら反応してしまう風景だ。

2012-09-05

Voigtländer Nokton Classic 40mm F1.4 M.C.


   およそ1ヶ月前の8月 - よせる波の緩さと湿気とが、予定外のだるさを堆積させる朝だった。
   折り返しのバスはここに着いた5分後の発車で、次は50分後の発車。 しばし海で過ごそうと考えていたのだが、5分の滞在の方を選んだ。


   晴れた夏や秋口には、海沿いに開放的な車窓の広がる道なのだが、今回はちょっと様子が違っていた。

2012-09-04

末富


   京都にある老舗のお菓子屋さん。
   「お菓子は、あまくて大きいもの」 - 「甘さ控えめ」「ひと口サイズ」というのは、食が豊かな今の時代に出てきた需要。 どうやっても「食べすぎ」にならない時代、特に砂糖は貴重だったはず。 甘いお菓子を頬張るという贅沢が、「お菓子」の原風景であり、醍醐味なのかもしれない。

   末富に立ち寄った際、三代目である 山口富蔵氏にお会いしたという話を聞いたことがある。 お菓子についての話は尽きず、お茶を頂きながらついつい長居してしまったという。 この親しみやすさ、なじみやすさは、菓子という世界が元来もつ、日常生活との極々近い距離なのだろう。

    * お店のウェブ・サイトは無いようで、ネットで見つけた情報を集めて掲載させて頂きました。 ~ cf.「日本の心」

2012-09-03

半兵衛麩


   京都にあるお店。
   焼き麩や生ゆば - 景色も料理も、一層の彩りを映して舌鼓をさそうこの季節がしっくりきそう。

    * 画像: お店のウェブ・サイトより。

2012-08-31

Cosina Carl Zeiss Biogon T* F2.8/28mm


   異国情緒と喩される横浜。
   様々な"異国情緒"が混在しているが、明治頃に入ってきた"異国"に対して、近年になって作られた異国情緒や、改装されての異国情緒と様々な表情があり、おそらくそれらの"情緒"が想定した祖国たる"異国"も様々。
   それら"様々"が、すっと「横浜」という街を構成、または馴染んでしまうのが横浜の魅力的なところ。
   この力強さは、ただ店舗や施設が作られるだけでなく、そこに生活や憧れる国への思いという、人それぞれの現実味が一体である処に由来するのだろう。

2012-08-30

Voigtländer Color-Skopar 35mm F2.5 Classic


   この日の散歩の最後の1枚。
   ちょっと寂しい風景ではあるけれど、どことなく誇り高そうで、そしてとりあえず、「ピース」...な時間。


   トンネルを抜けてトンネルの中にある駅。それも先頭の1両はホームが短くてドアが開かない。いつか降りなきゃ、そう思わせる駅である。以前はもっとススけた印象があり興味津々だったのだが、今はすっかりきれいにピカピカ。ならばと次は路地をウロウロ探索開始。居酒屋、階段、小料理屋 - そしてアパートの屋根にちょこんと乗った丸くて小さな給水タンクがこっちを伺っている。
   恐る恐る分け入るように路地を進むこの感覚。あんまり他の街にはない感触かも。

2012-08-28

Voigtländer Color-Skopar 35mm F2.5 P II


   ここ数年、「入道雲」にお目にかかっていない。
   見る見る形を変え、まさに"入道"という響きの如くもくもく巨大に盛り上がってゆく積乱雲の様は、かつて真夏の象徴のような存在だった。
   2012年 - 近年の傾向にならい、今年も8月に入ると早々に秋の気配が空気に混じって感じたが、残暑のなか高くなってゆく空に、小さな積乱雲が共存していた。 (2012.08.18)

2012-08-26

Sigma 18-50mm F2.8 w/ Nikon D200


   外国のパトカーの写真、公衆電話の写真をよく見るが、...やっぱりカッコいい。


   休日は、眠い目をこする前に洗濯物を抱えて階段を降りてゆく。アパートの下階にある共同の洗濯機とその上に突き出たエアコンの室外機。何でもない朝の生活風景だが、これが妙に気持ちよい。
   洗濯機のカバーを外し、そこではじめて目をこする。
   洗剤はTide、せっけんはIrish Springs、シャンプーはPert plus。最近すっかり嗅ぐことのなくなったこれらの生活の匂いが懐かしい。

2012-08-24

Voigtländer Nokton Classic 40mm F1.4 M.C.


   京急浦賀駅 - 京急の終点と言うと「三崎口」が思い浮かんでしまうが、実は京急の本線は浦賀が終点。 堀之内で分岐する線路を見ても同様の感覚で、三崎口方面はまっすぐに伸びているのに、浦賀方面は大きくカーブした少ないレールが、木々の合間にひっそりと視界から去る印象がある。
   浦賀と言えばペリー来航だが、ペリーと名のつく公園は駅で言うと久里浜にある。 少々疑問だったが、バスに乗ってみると久里浜から浦賀までが案外近いことを知り、気分として「浦賀」の範囲に収まった。
   浦賀の駅は改装工事中。 前に足を運んだ10年ほど昔、近くのスーパーも駅の佇まいも、古めかしい... のやや手前くらいで、独特の時間の流れを醸していた。
   なぜかもう一度足を運んでみたくなったこの駅、旅の - とも、生活の - ともなり切れぬような匂いが、以前と変わらず漂っていた。

2012-08-23

雑感 ~ Kodak フィルムやデジタル・スキャニングの事業売却


   以下はKodak社の"News"からの抜粋。 フィルムやデジタル・スキャニングの事業売却という話らしい。 「写真」という時代が、進んでいるのか後退しているのか分からない何とも中途半端な気分。

   「イーストマン・コダックは23日、写真用フィルム事業などの売却プロセスを開始したと発表した」 - Impress Watchより


Thursday, August 23, 2012

Kodak Takes Next Steps toward Successful Emergence Company to Focus Primarily on Commercial, Packaging and Functional Printing Solutions and Enterprise Services; Initiates Sales Processes for Personalized Imaging and Document Imaging Businesses; Discussions Continue on Digital Imaging Patent Portfolio, which May Be Sold or Retained


ROCHESTER, N.Y., August 23 --

   Eastman Kodak Company today outlined its next steps toward a successful emergence from Chapter 11 reorganization as a company primarily focused on commercial, packaging and functional printing solutions and enterprise services. Accordingly, the company has initiated sale processes for its market-leading Personalized Imaging and Document Imaging businesses.

   Kodak believes that the sale of these assets, as well as continued cost-reduction initiatives, curtailment of its legacy liabilities, and the monetization of the company’s digital imaging patent portfolio, will be significant milestones toward completing the company’s reorganization and emergence from Chapter 11 during 2013.

   “The initiation of a process to sell the Personalized Imaging and Document Imaging businesses is an important step in our company’s reorganization to focus our business on the commercial markets and enable Kodak to accelerate its momentum toward emergence,” said Antonio M. Perez, Chairman and Chief Executive Officer. “In addition, we continue our initiatives to reduce our cost structure and streamline our operating models in an effort to return the company to profitability.”

2012-08-19

Voigtländer Color-Skopar 35mm F2.5 Classic


   再び夏の写真。7月上旬の雨の日の散歩より。
   通りに面する、冷房の効いた店々の窓ガラスには結露が現れ、湿気の高さが見てとれた。
   もうそろそろ駅に着こうかという頃、この建物の吹き抜けに誘われて足を踏み入れ、中の雑貨店で手にしたRoot Beerを飲みながら、しばしの休憩。

2012-08-15

Leica Summicron 50mm F2.0 (3rd)


   よく春先に見るような、似た色彩の空がわりと好みなのだが、なかなか写真を撮る機会には遭遇しない。
   代わりにという事でもないだろうが、どことなく近い色調が11月の夕陽のなかに広がっていた。「秋の日はつるべ落とし」と言われるようにこの色はスルスルと抜けてゆき、代わって冷たい風が建物の隙間に流れてきた。
   こってりとした色のりのSummicron 50mm/F2の三代目。現行の四代目より、立体感も質感も、色濃く現れるように感じる。

2012-08-13

Leica Summicron 50mm F2.0 (4th)


   コンペイトウのような花をつける「ヒメツルソバ」- 別名を「ポリゴナム」。
   科で言うと「タデ科」だそうで、「タデ食う虫も好きずき」なんていうフレーズのそれではないかと思い、某所に植えたこの植物、虫食いはあまり心配していなかったのだが、この夏この葉っぱは... 普通に穴だらけ。

2012-08-10

横浜散歩



   その外国情緒漂う建物に興味ひかれたのは、かれこれ20年ほど前。 そしてようやくの訪問。  注文したのは、たっぷり目のクリームにシナモンやクミンがちりばめられたアイスコーヒー、「カフェ・スパイス」。 涼みに程よく香るスパイスの風味だった。




   歩き疲れて立ち寄った、横浜の、外人墓地の丘の上にある「山手十番館」という喫茶店。




   その昔、Contax RXとPlanar 1.4/85mmと共に訪れた坂道。 また足を運んでみた。




   元町通りからほど近い、「百段公園」へつづく坂道。 この風景も少し懐かしく。




   船員宿って誰かが言ってたけれど、それがどんなものかがよく分からない。 どっか外国から寄港した船員さんが「空きある?」といった感じで一晩眠れる処 - だろうか。




    「空きありますか?」と尋ねる自分を想像できるものの、この不思議な空気。 扉を開けるにも至らなかった...。 またいつか。