2014-07-17

CONTAX Carl Zeiss T* Planar F1.4/50mm

Kodak Kodachrome 64 Professional (PKR)

   この公衆電話は、ブースがやや古びた感じで、背景にある雑貨屋さんもその周囲に幾つかあるお店も、町外れの、しかし長いこと運転をして来たところにぽつっと現れるちょっとしたオアシスのような安堵の風景の中にある。

   ヒーボーという小さな町。 オレゴンの海沿い、101号ハイウェイと22号線 (スリー・リバーズ・ハイウェイ)との分岐点がこの場所。 撮影は1999年。
   海沿いを行く101号線と分岐した22号線はやがて山道となりクネクネと曲がる。 途中にはアンティークショップがぽつんとあり時に民家が点々とあり、やがて州都セーラムへと辿り着く。
   9月の終わりの早朝、ここを自転車で走った事があるのだが、空気は冷たく、露出したふくらはぎは思うように動かず痛みを伴った。 そのためゆっくり走っていたのだが、3時間以上経った頃だったか大きなカーブを過ぎると陽の光が体に当たりはじめた。 するとスッと痛みが引いてぐんぐんスピードが上がり、それは陽光の力を如実に感じた瞬間だった。

   ヒーボーの丁字路、その真上では、道の両端から渡されたワイヤーに吊され警告灯が黄色く点滅している。 101号線を北上してくるとやや遠目からこれが視界に入るのだが、その点滅は「さぁ、どっちに行きたい?」とも「ヒーボーへようこそ」とも言っているようで、それがなんとなく、笑みを浮かべて手招きしているようにも見える。