2013-11-30

Cosina Carl Zeiss T* Biogon F2.8/28mm


   ゆっくり淡々と歩を進める午後の散歩。 画面中の紳士は年齢80手前と言った風貌。
   慣れたペースなのだろう、表情には重ねた年輪と今現在の気持ちのゆとりのような笑みが見てとれ、その足取りには楽しささえ感じられた。 ゆっくりと思いきや、後をついてゆくとこれが案外速い。 どんどん風景の奥へ遠くへ進み入ってゆく。 季節の移ろいを撮影しようと訪れた公園。 思いがけず遭遇する人の移ろい。
   「自分らしさ」、「自分探し」 - よく聞く言葉だけれど、これを主観的に進めることは、思えば奇妙なことなのかも。

2013-11-21

CONTAX Carl Zeiss T* Vario-Sonnar F3.3-4.0/28-85mm


   まったりと小川沿いの散歩。 今年何度となく訪れた場所で、小川と、周囲の木々と、季節ごとにさまざまに表情を見せてくれた。
   季節ももう冬の域になり、心なしか流れる水も夏に比べてゆっくりとして見える。 黄色とオレンジの多い紅葉で、まだまだ緑色の葉も多く、空は青空。 しばらく空に向いて木々の様子を撮影していたのだが、ふと気になった水面に目をやると、また違って見える木々の姿が。 どことなく冬支度中といった印象の風景だった。

2013-11-19

CONTAX Carl Zeiss T* Vario-Sonnar F3.3-4.0/28-85mm


   セミナーを受講し終えて建物を出、隣の商業施設へ足を運んだ。 さっきまでの白い壁一色の景色とは一変、クリスマスの間近さを思わせる装飾があちらこちらに。 冬という感触がいまひとつ薄いためか人の足もまばら。 サンタさんにもまだ「メリー・クリスマス」慣れしていない ぎこちなさを感じる。

2013-11-15

雑感 〜 ZEISSの大口径55mmレンズ (Otusの発表)


   touitシリーズを大きくしたようなデザインのレンズ。 最初にこの形が発表されたのは2年前の夏頃だったように記憶している。
   "Zeissの大口径"を特徴として発表されたこのレンズの焦点距離は55mmである。 F値は1.4で、この数値からはどうにも筐体の大きさが不釣り合いに見えていた。 レンズの配置はDistagonで、そう思うと大きくなってしまったのは結果論としてはアリなのだろうとも思うところ。 と同時にPlanarで良かったのでは? とも思ってしまう。

   手にとった感触は、手に馴染み、ピント・リングの操作感もちょうどよい重さと、ピントを掴んでヘリコイドを停止した瞬間の自然な手応えと、持ってて楽しい1本という印象だった。 写りの第一印象は、「コシナのBiogon 2.0/35mm ZMに似てるなぁ」だった。 思うにレンズの原料と研磨方法が同じなのだろう。
   Biogon 2/35mm ZMは、暗いトーンの描写には優れるが、画面のちょっと明るい場所がふわっと「飛び気味」を連想させるように、微妙に余分に明るくなってディティールを失い気味になる。 そしてハイライトにかけてやや色が濁る印象、これはあくまでも印象だが、そうしたクセを感じる。 そして残念ながらこのクセを活かせるほどの腕を持ち合わせていない。
   このDistagon 1.4/55mm、そうしたBiogon 2/35mm ZMに似た描写の傾向を示しつつ、その質感の作り込みの完成度が高く、見事に特色づけされ全体的にもよくまとめられていた。 ポートレイト - それも人の年輪を映すような撮影によいだろうなぁと思う。 細部や立体感、質感の描写は、そうした「深度」の表現に発揮されそうだ。

   値段を訊くと$3,999だという。 出処は失念してしまったが、発売元はコシナだそうだ。

   touitはSIGMA製と噂され、それと似た鏡筒の形状からこのDistagonも同社製かと思ったが、一瞬「まさかソニーZEISSか?」との考えも頭をよぎり、風貌からはどうも製造元がつかめない。 とは言えソニー製Zeissのズーム・レンズの昨今のコーティングにはZeiss独特の色彩を見いだすのが難しく、同社"DT"レンズと差異の少ないそれはホントに"T*"なんだろうか? としげしげと見入ってしまう事もある。 近年は "Carl Zeiss"はすっかり混血の進んでしまったドイツ・ブランドという印象も無くはない。

   欲を言うと... 現行Carl Zeissレンズ群には、「唯一無二」というような個性を求めたい。 デジタル・カメラ向けに収差を追い込むと、どうしても均一的な描写になってしまうのだろうが、かつての "Made in West Germany"と刻印された Planar 1.4/85mmや、最近多用しているVario-Sonnar 3.3-4.0/28-85mmなど、「このレンズでないとあの雰囲気は撮れなかっただろうなぁ」という独特な世界観こそがCarl Zeissと。

   そうした意味では、最近使ってみたいZeissレンズとしては - C-Sonnar 1.5/50mm ZM、C-Biogon 4.5/21mm ZM、Biogon 2.8/25mm ZM、Distagon 2/25mm (SLR)、Distagon 2/28mm (SLR) 、そして Distagon 1.4/55mmあたり。

   もう1つ欲を言うと... ソニー以外からもCarl Zeissのズーム・レンズが欲しいところ。 ソニーのDSLR機が電子ビュー・ファインダーでなく光学式のファインダーならば、ソニーで1セット、既に購入しているところなのだけど。

2013-09-25

Cosina Carl Zeiss T* Biogon F2.8/28mm


   久々にBiogon T* F2.8/28mmを付けている最近。
   なんとなく苦手な描写だなぁと思っていたLeica Elmarit-M 28mm F2.8 Asph. が、意外にもここのところ手に馴染みだして付けっぱなしにしていたのだが、そうなると対で気になるのがこのBiogon。 これもまた描写のクセがしっくり来ないところがあって、実はこの2本の28mm、自分にとっては微妙なコンビ。
   Summicronを手にしてしまえば多分それで一件落着とは思うが、価格がべらぼーだし、もし手にする機会があるにせよ、その前に現行のSummicron 28mmではなく、ひと世代前のものを使ってみたい。 Summicron 50mm F2.0がそうだったが、一世代古いレンズの方が、質感描写、色のり、シャドーの陰らしさが人懐こかった経験から、同28mmにもその期待があり、傾向を見てみたいと思う。

   この一枚は、Biogon T* F2.8/28mmの控えめな描写が「吉」と出た気がする。

2013-09-17

Leica Elmarit-M 28mm F2.8 Aspherical


   日に日に日が短くなるごとに、憂うような気持ちが混じりはじめていた。 「秋の陽はつるべ落とし」と言われるように、夕方からあっという間に夜がやってきて、冬至の頃などは「夕方」を感じる間もない午後5時で真っ暗になる。


   空一面の夕焼け、これは2日続けてのこと。 これだけ大きな夕景と筋雲の広がる空を見せられたら、日の短くなるのも「仕方ないか」と思えた気がした。 と同時に、体が冬支度を意識したのも感じた。

2013-09-03

Leica Elmarit-M 28mm F2.8 Aspherical


   この風景に向き合ってるときは、すごーく静かな、ほぼ無音のなかにいるような感覚があった。

2013-08-31

Voigtländer Color-Skopar 35mm F2.5 Classic


   横田基地の南東の角あたり。 この上空を「ジャンボ・ジェット」の愛称を持つボーイング747や、「ギャラクシー」と呼ばれるロッキード C5などが飛来する。 近く「オスプレイ」も配備されるという話もあるが、軍事基地であるという以上に、すぐそこがアメリカ合衆国のカリフォルニア州であるところに惹かれる。
   これだけ近いのに、本来は遥か海を越えた異国。 この法的な絶対的距離感は、もしかしたらアメリカ本土のカリフォルニア州よりも遠いのではないか。

   まだ基地の脇を走る国道16号線が、片側1車線で路肩の土けむりを巻き上げてバスやトラックが走っていた頃のヨコタとは、周囲も基地も時代とともに様変わりしてきたが、この距離感だけは如何ともし難い。

2013-08-26

CONTAX Carl Zeiss T* Vario-Sonnar F3.5-4.5/28-70mm


   芙蓉の涼しげな花と葉が目に入ってちょっと寄り道。
   ひと月前は、夕方には萎れてしまっていた花だが、この日は夕方にも花が開いていた。 暑さがそれだけ和らいだという事だろうか。
   芙蓉で、「酔芙蓉」というのがある。 朝に開花したときには白い花が、時間が経つにつれてだんだんに赤っぽく変化し、夕方には鮮やかな濃いピンク色になる。 その少しずつ赤らんでくる様が、酔ってゆくように見えるのだ。 「酔芙蓉」とは可笑しな、大胆な名前にしたものだ。

2013-08-19

CONTAX Carl Zeiss T* Vario-Sonnar F3.3-4.0/28-85mm


   近くに水源があるらしい。 湧水だというのだが、考えられるのは7〜8kmほど北にある「水なし川」。 地中に潜った水が湧き出す場所がこの小川の水源だという。
   数十年ほど前は水源近くには池があり、ボート遊びが出来たという。 その200mほど下流のこの写真の地点は特に護岸も整備されていない小さな川だったのだろう。 今は川底や護岸を石で造り、この周辺約300mほどの長さは浅めに出来ている。 夏にはよく子供が水遊びをしている。 大きな鯉、小魚、アメリカ・ザリガニ、水鳥もくる。
   川底の大小の石によって、水面には様々な模様が作り出される。

2013-08-18

CONTAX Carl Zeiss T* Vario-Sonnar F3.3-4.0/28-85mm


   雲のきれいな夕景に出会うと、ちょっと得した気分。
   カメラを持ち歩いていて夕焼けに遭遇するというのは、夏がいちばんチャンスが多い。 夕景を追いかけるように電車に飛び乗って移動しても、着いてみたら期待が外れてオレンジやピンクの空にならないなんて事も。 台風の後には広大な夕景が広がる事も多いが、台風はあまり歓迎という感じでもない。 穏やかに暮れて行く広い夕景が、いちばん贅沢な1日の締めくくりかな。

   むかーし、アイダホで見た、遥か遠くの山並みを浮き上がらせる柔らかいピンク色に向かって、空高く藍色から、それこそ天の半球全てを使って描き出された、夕刻から夜にかけての大きなグラデーションに身震いしたことを、時々思い返す。

2013-08-09

残暑の風景






   Voigtländer Color-Skopar 35mm F2.5 Classic