2012-03-21

Voigtländer Color-Skopar 35mm F2.5 Classic


   2010年8月の月島。 言わずと知れた"もんじゃ"のメッカ。 足を運ぶたびに街の整備は進んで見える。 人はといえばガラっと変わるでもなく、他の街から来たらしい人々も不思議と街に馴染んでみえる。

2012-03-08

Voigtländer Color-Skopar 35mm F2.5 Classic


   段々に暖かくなり、周囲に花を見るようになるまであと少し。 この冬は寒い日が続いた分、開花の彩りが楽しみ。

2012-03-06

Voigtländer Nokton Classic 40mm F1.4 M.C.


   久々にF1.4という明るいレンズを手にし、特にボケ味が気になり何枚かを撮影。


   ボケは少々うるさい印象。 ただ、ボケは渦を巻く事もなく、このクラスとしてはまま素直ではないかと感じる。 このボケの雰囲気は1970年あたりの標準レンズに似ているようにも思え、いわゆる「オールド・レンズ」の年代という意味での"Classic"、というほどClassicでもないように思う。


   F1.4で日陰の小枝。 独特の滲みが見られ、ピントの芯では像はしっかりしているものの、このハロはもうちょっと抑えてほしいと感じた。 反面、ポートレート撮影ではこの性質が生きる場面もありそう。


   F1.4か2.0あたり。パキっと陽の当たった枝は実にクッキリとシャープ。 クッキリと言ってもエッジがキリキリするでもなく、わずかに柔らかな風合いをあわせ持つ。
   ファインダーの枠は50mmが現れる。 M8では35mmの枠がちょうど良く思えたのでメーカーに問い合わせてみたが、残念ながらこのレンズには35mmの枠を表示させるマウント部品そのものが無いとのこと。

   どこか不思議な描写のレンズ。
   これと対のように興味を持ったのは、近似の焦点距離と明るさを備え、ボケ味が定評の"T*"を冠する同コシナ製のCarl Zeiss C-Sonnar T* 1.5/50。 どんな性格なのだろう。
   かつて、...二十数年前の高校生の頃の恩師が、「"Sonnar"という名は、開発当初、太陽のように明るいレンズという比喩で命名されたんだ」と仰っていた。 
   が、以前に使っていた Yashica/CONTAX製 Sonnar F2.8/135mmの印象では"Sonnar"感をいまいち味わえなかった記憶もあり、いま妙に気になっているキーワード... どんな風なのだろう、COSINA製 C-Sonnar 50mm。

2012-03-05

Voigtländer Nokton Classic 40mm F1.4 M.C.


   小さな花の梅が咲いていた。 レンガの雰囲気も手伝って思わず1枚。 だが若干の後ピンになってしまい、梅の花の浮き立ちがいまひとつになってしまった。
   このNokton Classic 40mm F1.4、"Classic"にはこだわりはあってもとにかく妙なクセがない。 ヌケは程よく、色のりも程よく、キレもなかなか心地よい。 時に開放絞りあたりではハロが出るようにも見えるが、それほど気になるでもないしボケ味はごく自然。
   こうしたハロだボケだ云々というのが、"Classic"を冠するレンズの --- 「ライカのノクチルクスに比べてどうの、かつてのフォクトレンダーではどうの、対して現代のレンズはどうの」などの寸評に用いられるのだろうが、むしろもう一歩、このレンズは現代風に収差を抑えてしまってもよかったようにも思う。 それでも、非球面レンズの非採用や「味」を追求したりという開発者の想いを継いで、より素直な特性となだらかなボケ、透明感を持ちつつも、「レンズ」そのものの存在感も描写も独特の空気を醸し出せるように思える。 ただ、今の完成度からのその「一歩」、大きくコストにハネ返りそう...。
   この1本、何よりも撮影での「手応え」が面白い。 レンズの生気が伝わってくるというか、そこには設計者の想いの深さがあるのだろう。


   歩いているうちに夕方に。 こちらはプラダの建物だが、青山界隈という土地柄からかこじんまりと佇むという印象だった。 こうしたガラスの質感が滑らかに写るのもフォクトレンダーの面白いところ。
   35mm判換算で53.2mmという画角はきっと狭いだろうと想像していたが、案外と見た目に近く、レンズ越しの絵を想像しながら好奇心をくすぐられ、つい散歩の足は伸びる傾向に。

2012-03-04

youtube: ~ 沖縄より


   沖縄の友人へ誕生日のお祝いにとBLUE NOTE TOKYOの写真を送ったところ、お返しに沖縄の歌手の名前を頂いた。 「成底ゆうこ」「きぃやま商店」の2つ、YouTubeでヒットしたものの中から数曲のリンクを以下に。 これまでになく「沖縄」というカラーが前面に出ていて心地よい。

   ● 真っ赤なデイゴの咲く小径 / 成底ゆう子
   http://www.youtube.com/watch?  v=rSeIrbPw63Y&feature=relmfu
   ● ダイナミック琉球 / 成底ゆう子
   http://www.youtube.com/watch?v=YqW7Y9xKZko
   ● きいやま商店*ミルクムナリ
   http://www.youtube.com/watch?v=AUsdHC6Qmbg&feature=related


   沖縄の歌手というと思い出すのが麗美(Reimy) --- 1983年頃のデビュー。 当時は沖縄からのデビューは例が少なく、「音楽業界」の構造も今とは大きく異なっていたのだろう、特異な「土地柄 = 音楽性」が商業的に伸びるのは難しいと言われた時期だった。 メジャー・レーベルにメジャー・プロデューサーという縛りを離れ、マイナー・レーベルよりリリースした「自分のアルバム」は4枚目になっての事と記憶している。
   「空が一面海に見えた日」-- 中学生の時に島を離れる友人を港へ見送りに行った日のことを歌詞にしたものだそうだ。 今でも時折思い出す曲で、どことなく成底ゆう子の曲にある海・島・郷里の想いに共通するものがあるように思える。
   「霧雨で見えない」-- ピアノで弾かれているものがあったので掲載。 曲調が柔らかく仕上げられている。
   「Just Only You」-- こちらはマイナー・レーベル移籍後のアルバムに収められていた1曲。 それまでと大きく違う音作りと息づかいが印象的だった。

   ● 空が一面海に見えた日 / 麗美
   http://www.youtube.com/watch?v=OJG_p78y6Q4
   ● ノーサイド / 麗美
   http://www.youtube.com/watch?v=d3wB4RM-NVY
   ● 霧雨で見えない (ピアノ)
   http://www.youtube.com/watch?v=uLdkxmbZzko&feature=related
   ● Just Only You / Reimy
   http://www.youtube.com/watch?v=Z4toik-BChc&feature=related

2012-03-03

Voigtländer Nokton Classic 40mm F1.4 M.C.


   表参道の駅からは、ちょっと奥まった通りにある BLUE NOTE TOKYO。
   初めてジャズのレコードを聴いたのがBLUE NOTEレーベルのArt Blakeyだったことから、"BLUE NOTE"という響きには愛着がある。 もちろん"RIVERSIDE"や"IMPULSE"などのレーベル名にも馴染みはあるものの、やっぱり"BLUE NOTE"への贔屓がある。
   とはいえこの店舗となるとちょっと敷居が高い。 ジャム・セッションや、やや生活臭さの残るプレーヤーの素顔といった風よりは、「ジャズ」を高級化してしまった「日本流」がやや迫り出して見えてしまうが、ニュー・オーリンズあたりとは事情が異なる分でちょうど良い落としどころなのだろう。
   まだ風の冷たい夕暮れ時ではあったが、店明りが燈り始める頃、辺りには南部の空気が漂う気分。

2012-03-02

Voigtländer Nokton Classic 40mm F1.4 M.C.


   POLA ANNEX MUSEUMを訪れた。 静かな館内には、女優であり歌手である、ジェーン・バーキンの写真が並ぶ。 部屋の奥へと招き入れるように展示パネルが並べられ、撮影者の想いと共に自然と被写体へと向き合ってゆく。


   刹那的な、そうした空気をハイライトに浮かべる不思議な存在感。
   半歩さがって次の写真を探そうとした時、迷路に迷い込んだような気がした。 招きいれるようにレイアウトされた展示ではあるのに、入ってしまうと迷いという心許ない時間の流れに身を置いているような一面に遭遇する。


   ● POLA ANNEX MUSEUM
   写真展のタイトルは "BABY ALONE"、会期は2012年 2月 3日〜3月11日
   美術館のかたにお訊きしたところ「今回は出展者様のご意向で、撮影やブログなどでの公開もどうぞという事なので ---」といただいた。

2012-03-01

Voigtländer Nokton Classic 40mm F1.4 M.C.


   2月29日の積雪は約15cmにもなった。 昨年秋口から暖かな日が続いた感のあったこの冬だが、1月から急に寒くなり北の各地で大雪。 今年は梅の開花も遅いというほど寒い冬へと変化した。

2012-02-29

雑感 〜 あるAl Di Meolaの曲、記録メディアの変遷


   画像はBlue Note Tokyoのウェブサイトより。 ちなみに最近の来日は2010年で、来日は当面は無いようだ。
   最近知った"Al Di Meola"という名前。 Jazzに分類されるようだが、曲調としてはスペインあたりのラテンやタンゴといった印象の情熱系。

   はじめてAl Di Meolaの曲を耳にしたのは、1987年頃のカセット・テープのCM。 「そこが、デジタル・デシベルだ」というコピーを伴い、白黒の画面の中で曲名通り情熱的に"Rhapsody of Fire"という曲を弾いた。そしてその曲名も演奏者も、名前を知り得るようになったのは、このインターネット全盛の近年になってのことだ。

   ほんの20年前、レコードは針で引っ掻けば音が出た。写真は光に透かせば画が見えた。 それらの「保存」という概念は極めて物理的なものだった。 音も写真も映画も、すっかりデジタルに置き換わってしまったが、それらの保存方法、殊に記録媒体に関しては迷走を続けているように見える。

   この2012年の夏には、Appleの"Mac OS X"の開発が終息という噂を聞いた。 今後はタブレット端末 --- 少し前に「スレート端末」と呼ばれていた方向へ開発の重心が振れると言う人は多い。
   キーボードも無くまさに「スレート = 石板」の表面を指でなぞってメッセージを綴るそのイメージには、伝えたい事を石版に刻むように、回帰と思えるほど、よりシンプルに「直感」を重視して進化してゆく面白さを思う。

   ある写真ラボでの会話に、白黒写真を焼くための貸し暗室が、比較的若い年齢層にウケているというのがあった。 「そういえば段々にレコードを聴く人が増えてるらしい」と続き、モノクロ (白黒)写真に新鮮味を感じる向きがあるという。 「ウチの息子なんかサぁ、この前、『オヤジ、モノクロって知ってるか?』って言うんだよ。 知ってるか? って、知ってるも何もナァ」と、皆で大笑い。 「『モノクロ』っていうのを新しいものだと思ったらしいんだよ」と。
   新鮮と感じる感触の支点や論点は、ただ物の「新旧」という事だけでもないらしい。

   音楽からだいぶ離れたが、「直感を刺激する情熱」...かな。 Al Di Meola。

2012-02-28

Voigtländer Color-Skopar 21mm F4 P


    東武鉄道で浅草駅を出発し、急カーブの橋を渡ると「なりひらばし」という駅がある。 かつてはここが「浅草駅」だったというが、そう呼ぶには小さなホームだ。
   「業平橋」という響きが気になっていて、ようやくこの駅を撮りに行く時間ができた。 駅の脇ではやや大きめな工事が行われていて、落下物対策として線路に防護壁がせり出している。 「新しいショッピング・モールだろうか?」 イメージしていた「業平橋駅」とは既に様子が変わっている。 「ちょっと遅かったか」と、シブシブながらシャッターを切った。
   この工事、後に思えば世界一の高さという某電波塔ではないか。 ある意味、「やや早かった」...。

   明日、2012年 2月29日に竣工だそうだ。

2012-02-25

Leica Summicron 50mm F2.0 (3rd)


   「第三世代」と言われるSummicron 50mm。 1979年、カナダ製。
   残念ながら中古で手にしたこのレンズは、1m程度の近距離と ∞くらいの遠景は問題ないのだが、2~5m程の範囲のピントがうまく合わないという不便さがあり使わなくなってしまった。 ピントのズレ方はリニアではなく波があるようで、前の持ち主が自分のカメラに合わせて調整したのだろうとの憶測が立つ。
   描写としては現行Summicronよりも被写体の質感・存在感をよく伝えてくるような持ち味があった。 製造から約30年が経っているというのに"Summicron"の名に全く揺らぎを感じない。

2012-02-24

Voigtländer Color-Skopar 21mm F4 P


   Voigtländerの持つ独特の雰囲気は、時に思いがけないほど生々しい描写に結びつく。
   このColor-Skopar 21mmも同じくその系譜上にあり、加えて、21mmにしては浅目の被写界深度も表現できる。 M8では35mm判換算で28mmのレンズに相当するのだが、なぜか25mmあたりを使用しているような、数値以上の広々とした感触がある。
   ファインダーは覗いて見える範囲以上の広さで写るので、別途で勘かファインダーが必要になる。 また、M8には広角レンズ使用時に四隅の色がシアンに傾く現象もあり扱いにはひと手間かかるのだが、レンズの素描はと言えば、何より「清清しい広い絵」という性格が心地よい。

2012-02-20

Cosina Carl Zeiss C-Biogon T* F2.8/35mm


   久々にC-Biogon 35mmで撮った写真を眺めてみる。
   なんと言ってもヌケの良いところが特徴的なのだが、ヌケというより透明度という方がしっくり来るくらいにさっぱりした描写。 散歩に持ち出すには大きさも重さもちょうどよいバランスなのだが、足を運んで目にした風景を収めるにはいささか画に現実味が欠けて感じられる。
   やや夢見心地 --- そのあたりがこのレンズの見ている先のような気がする。

2012-02-13

CONTAX Carl Zeiss T* Planar F1.4/50mm


   撮影は1年前の2011年。 久しぶりに一眼レフにPlanar 1.4/50を付けて外出。 外出と言ってもこれは通勤途中の道端の風景。
   シックな写り、手になじむヘリコイドの径や個体の重さ、レンズ・コーティングの色とその深みなど何かと馴染む。 ずっと以前、某社一眼レフを手にしてから写真を撮らなくなってしまった時期があったのだが、また写真を撮りだしたのは このレンズを手にする機会を得られたからだった。


   撮影時に、さりげなく被写体が投げ返してくる手ごたえが、このレンズの面白いところ。