毎日撮るとなると「こう撮ってみたい」という興味や「何だこれ!?」という発見、そしていつでも撮れるよう心の準備と、ある種の緊張感がいつもある。 また、当初の機材はLeica M8の1台だったが、やがてOlympus E-M1やSony A7sを入手。 レンズもまた、この期間に5本を手離し、新たに5本を入手と、色々と試した時でもあった。
使うレンズの焦点距離は、M8ではしばしば35mmに回帰した。 35mm判換算で約45mmとなりこれがなかなか心地よい。50mmレンズは35mm判換算で66.5mmと、これを「長く」感じて躊躇することもあり出番は少なかった。
A7sを手にすると少し感覚が変わり、f=35mmでは広く感じ、f=50mmがしっくり来た。 M8ではf=21mmは35mm判で28mm相当、f=15mmで21mm相当だった広角は、まんま「21mm」・「15mm」となり、あらためて広い視野を愉しんだ。
Carl Zeissから「Loxia」・「Milvus」など新しいシリーズが発表され、デジタル・カメラの受像素子に最適化された新世代レンズに、「この『写り』がデジタル時代の画ってことなんだろうな」という感触を持った。 手元のレンズは「だいたい充実したなぁ」と感じていたが、そうした描写を目にすると新たな期待も顔をのぞかせる。
Loxia21: Samples by Jannik Peters on Phillipreeve.net (below)
http://phillipreeve.net/blog/rolling-review-zeiss-loxia-distagon-2-821mm-t/
Loxia21: Samples by 'Kashapa' from Map Camera
http://news.mapcamera.com/KASYAPA.php?itemid=29238
発表当初はあまり興味のなかった「Loxia」も、様々ウェブ・サイトに見る「Loxia 21mm」のレビュー記事から「何の濁りも感じない」完成度の高さに印象が変わった。 「Loxia」が登場した頃、Sony A7シリーズに最適化されたという「Loxia 50mm」の画像は、色味が薄く、柔らかいというよりコントラストの低い画に見え「馴染めないな」と思った。 対して「Loxia 35mm」は旧来のCarl Zeissに近い発色から「面白そうだ」と感じ興味をひかれていたが、それらが「Loxia 21mm」の登場で少し変化し「Loxia 50mm」の存在に目が向いた。 それはおそらく、「Loxia 21mm」と「Loxia 50mm」に「デジタル向けZEISS」として完成度を追求した共通点を愉しんでみようという好奇心。http://phillipreeve.net/blog/rolling-review-zeiss-loxia-distagon-2-821mm-t/
Loxia21: Samples by 'Kashapa' from Map Camera
http://news.mapcamera.com/KASYAPA.php?itemid=29238
21mm - は、ずいぶん前から興味はあったのだが、実際にその面白さを体験したのは一昨年2014年のこと。
M8では、35mm判換算で28mm相当であることを考えるとそれほど特殊な世界ではない。 なのでそのまま「21mm」を楽しんだというよりは、手にした「21mm」の描写が面白く、それを楽しんだという事になるだろうか。
Voigtlander Ultron 21: Samples by Jason Howe and Steve Huff on Steve Huff Photo
http://www.stevehuffphoto.com/
Voigtlander Ultron 21: Samples by Takuji Ono
その「21mm」はVoigtlander Ultron 21mm F1.8。 ぐっと強いコントラストを描きつつも画面全体には独特の柔らかさを持ち、開放F1.8という被写界深度の浅さも手伝っての空間描写が特異。http://www.stevehuffphoto.com/
Voigtlander Ultron 21: Samples by Takuji Ono
Voigtlander Ultron 21/1.8 on Sony A7s - 補正なし/補正あり
ただ「Ultron 21mm」は、オールド・レンズに強いと言われるSony A7sでもシアン被りや光量落ちが見られる。 「カメラ・アプリ」でそこそこ補正できるが、ここは期待と少し違ったところ。 やや手のかかる感のある「21mm」ではあるが、「f=21mm」への「入口」としては良い選択だった。この「21mm」という焦点距離の世界はなかなか面白い。 そして「35mm判フル・サイズ・センサー」機を手にして、あらためて身近に感じた「50mm」と、最近この2つの焦点距離に興味津々。
ちなみに... 「Loxia」と連発しつつ、いま「50mm」で興味があるのはCarl Zeiss T* C-Sonnar F1.5/50mm。