2015-04-23

雑感 〜 'Batis' - Brand New ZEISS!

   次のアップロードは写真にしよう! と思っていたところに、新しいZEISSレンズの話題を目にしてしまった...。 「雑感」というよりメモ的に只々スペック等を並べるだけになりそうなだが、ZEISSの話題はワクワクするので掲載。 2015年7月に発売予定の模様。 日本語の「Batis」専用ウェブサイトもあるようだがアクセスは出来なかった。


   以前から噂されていた「ZEISS LOXIA 35mm・50mmに続く、Eマウントの広角と中望遠」である。 呼称は「Batis」と、LOXIAに続きまた鳥の名前だろうか。
   広角はDisgtagon F2.0/25mm。 EマウントのフルサイズでAF、米$1,299。 中望遠はSonnar F1.8/85mm、同じくEマウントのAFレンズ、米$1,199。

   以下はZEISSのウェブサイトより ---  (公開前の仮ページの文章(?) )
   新しいZEISS Batisレンズ 2/25と1.8/85は、ミラーレス Sony α シリーズ用OLEDディスプレイがついた最初のフルフレームのオートフォーカスレンズであり、この領域のパイオニアです。プロフェッショナルな道具として、これらのレンズは最適な画像演出、印象的なコントラストと極限のディテールまで写す最大の解像度により、傑出した結果を保証します。
   画期的なOLEDディスプレイは、カメラシステムからの合焦距離と被写界深度を表示し、そのため独創的な画像構成を理想的にサポートします。要求の多い写真家にとって、OLEDディスプレイは絶対的なハイライト – 現在、カメラレンズの中で並ぶもののないイノベーションです。
   2015年7月からお買い求めいただけます – 今の内から、ご注文ください。
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   形状がOtusやTouitと似ているのが気になるところ。 てっきりLoxiaシリーズとして登場すると思っていたので、「Batis」の初めの感想は「?」で、次に浮かんだのは「コシナ?」だった。 そして「イノベーション」だという「OLED」ディスプレイ(距離と被写界深度が表示される)も、とりあえず実用性は「?」。
   つい製造元を勘ぐる妙なクセがついてしまった今日この頃だが、結局のところ - 「どこが作ってもレンズの型ごとに個性が強く出るのがZEISSの面白いところ。そのクセの中から『しっくり』来るものを探すのが楽しみ」かなと思う。 「しっくり探し」と言っても試写できる機会は少なく、その場所や光源などの制約もあり「試す」という域には遠いものの、それでも案外「しっくり」の感触に当たりはつけられる。 あとは良くも悪くもインターネットでレビュー記事と睨めっこ。

   購入となるとOtusはあまりに価格が別格。 ほか、常用を考えるとTouit、Loxiaで計4本 - うち今は、場所・時間・心象を映し留めるために、旅のお伴として気が合いそうなLoxia 2/35が気になっている。 さて、Batisの2本はどんな気質なのだろうか。
   ちなみに、旅や散歩で「あるといいなぁ」と思うレンズは: Rollei HFT F2.8 40mmの復刻でZMやZAやLoxia版、Leitz C-Summicron F2 40mmの復刻版、C-'cron 40と同等のマイクロ4/3で、例えばM.Zuiko 20mm F2.0 Pro、フルサイズならSony FE-G 40mm F2.0、CONTAX G T* Planar F2 45mmの復刻のLoxia。 35mmと50mmの間、案外ここに焦点距離のスウィート・スポットが潜んでいる気がする。


   2015.04.28 - 05.01追記:
   ZEISS Batisの日本語ウェブ・サイトが公開されていた。 で、文言がだいぶ変わっていたので、サイトを開けば見られる内容ながら以下に転載。

   ZEISS Batisのウェブサイトより ---
   ZEISS Batis 2/25と1.8/85はSony α7シリーズに対応したフルサイズEマウント用オートフォーカスレンズです。AFモードではリニアモーターの採用によりミラーレスシステムに適した静かで高速な駆動が可能となりました。そしてBatis 1.8/85は、ZEISS初となるレンズ内手振れ補正機能を搭載。光学性能としては、プロフェッショナルな要望に応える、印象的なコントラストと極限のディテールまで写す解像度を実現しています。

   レンズ本体上部に搭載の有機ELディスプレイはフォーカス距離と被写界深度をデジタル表示し、フォトグラファーのクリエイティビティをサポートします。 従来のZEISSレンズにはなかった斬新なデザインと機能を兼ね揃えたZEISS Batisは撮影を楽しむフォトグラファーの遊び心を刺激することでしょう。
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   画質云々の部分はほぼ同じで、機能面の解説を盛り込み、「ディスプレイ」については「クリエイティビティをサポート」に。 落ちは「遊び心を刺激することでしょう」と。
   レンズ本体に表示される距離や被写界深度の数値は撮影時には見ないだろうし、どう考えても起動時に「ZEISS」の表示を見てにんまりするくらいしか使途が思い浮かばなかった「ディスプレイ」。 「パイオニア」・「ハイライト」・「イノベーション」との表現に少し引いてしまっていたが、日本語サイトの文章は心地よく響く。
   ちなみに、最初に見たサイトの文言を確認してみようとZEISS U.S.のウェブ・サイトにアクセスしてみたが、Batisのページは"エラー 500"と。 世界的に文言を変更しているのかも。

   余談だが、BatisのPRビデオの終わりの方に出てくるコピー (↓) がいい感じ。



   FlickerのCarl Zeissのページよりサンプル画像。 Loxia・Batisと、その写る空気感にCarl Zeissの「新たな挑戦」を感じる。 50mm・85mmの2本がやや軟調傾向に見えるのはターゲットがソニーα7だからだろうか。 新設計ながらこのDistagonにはかつてのDistagon F2.8/25mmの色彩を、Sonnar 85mmにはかつてのSonnar F2.8/85mmに似た柔らかさを思う。


   2015.05.28追記:
   ブログ「エンジニアの嗜み」「Tamron 85mm F1.8 VC の特許」という記事が。 Batis Sonnar 85mmと関係あるようだ。

2015-04-20

雑感 〜 AFN Tokyo


   AFN Tokyoは聴けないと思っていたら、昨年12月から配信されていたらしい。 ココは横田基地には近いのに建物の中ではラヂヲの入りがすこぶる悪い! 普段から残念に思っていたところがストリーミングで聴けるのを知り、その瞬間、血行がすこぶる良くなった。
   シカゴのWNURがPCで聴けたとき、同じくシカゴの"B96"、ノース・キャロライナの"JAM102"、ニューヨークのWBLS、ノース・キャロライナの"FOX"、サンフランシスコのKMEL、ホノルルの"Krater96"が聴けたときも鳥肌たったなぁ。
   オレゴン州ポートランドのKXYQ "Q105"は1995年頃に閉局になったっぽいし、モンタナ州ボーズマンのKBOZ、セントラル・オレゴンの94.7MHz(コールサイン失念)、ニューヨークの"HOT97"など、うまく情報を得られなかった局もあるが、どれももう25年以上も前に聴いた局。 「オンライン」ながら、聴くと当時の街の匂いを思い出す。
   なくなってしまった局もある。 ラジオ局が無くなるというのは案外寂しい。

2015-04-14

雑感 〜 とあるウェブサイトのソニーZEISS評

   ウェブサイト「デジカメinfo」を観ていて気になった記事があったのでメモ的に「雑感」。
   Photozoneというウェブサイトで、ソニーZEISS Vario-Tessar T* 16-70mm F4 ZA OSS "SEL1670Z"の評価が芳しくないという。


   言われてみればこのレンズ、ズーミングしたときの画面の歪み方が気になり、展示会(2014年2月)のソニー・ブースへ再確認に行ったことがある。 それは単純にタル型・糸巻型という歪みではなく、ズーミングするに従い、波紋が広がるように画の面が凹凸に波打つように歪んで見えたというもの。 後日の再確認では歪みは確認出来なかった現象だが、なんとなく引っかかっている。
   さてその「Photozone」での評価記事では --- 「レンズの造作は精巧で堂々としたもの」、「シャープネスは画面中央では良好だが、周辺ではお粗末(流れが生じる)」、「16mm側でタル型収差が出るがこのクラスでは標準的」、「色収差(または"像ズレ": エッジに青やマゼンダ色の滲みが出るなどの現象)は悪くない」など。 そして"this Zeiss lens is both heavily overpriced and below average by today's standards. As such we can only conclude ... not recommended."と。「今日の標準的な数値を下回り、そうした割に高価であり、結論としては... おススメできないとしか言えない」- なのだそうだ。
   ソニーZEISSは、レンズとしては総じてオール・ラウンドな造りで比較的安心して使えるという印象があるので、評価にはちょっと意外な手厳しさを思った。

   この「Photozone」の記事にある撮影サンプルを見ているうちに、思い出した事があった。 CONTAX時代のCarl Zeissレンズの話になるが、1本だけOEM供給されていたズーム・レンズがあったと記憶している。 撮影していて、シャドウの黒が締まりきらず滲んで見える感じ、シャープに見えながらもエッジに丸みを感じる、中間〜ハイ・ライトの階調の少ない感じ、Photoshop上でデータがあまり粘らないなどが段々に気になり出した。 それが某社からのOEMと知ったのは、このレンズを手放してから随分と後だったが、このOEM元のレンズにありがちな像の滲みも見られず、更にはT*コーティングの底力なのだろう、シャドウでの階調や逆光への耐性、色の濃さにCarl Zeissらしい特徴があったため、ずっと京セラ-CONTAX製だと思っていた。
   そのOEM提供元が自前ブランドで販売するレンズも幾つか使ってきたが、1990年頃を最後に以降は使っていない。

   レンズ選びは面白いもので、購入には、昔ならカタログを隅々まで、今ならインターネットで作例を見て当たりをつけて「これ」という1本に辿り着く。 時に展示会やメーカーのショールームで感触を試す。 でも、そこにたっぷり時間をかけ、懐具合も追いついてようやく手にしたとしても、意外に自分と反りが合わなかったりもする。
   撮りたい風景には「!」と共感する一瞬があるように、気の合いそうなレンズには、ファインダー越しに覗いたときに「はっ」と息をのむような瞬間がある。 この手応えがあってホントは初めて画応え(エゴタエ)をあれこれ想像出来るのかもしれない。
   ちなみに同じソニーのZEISS銘ズーム・レンズ Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSMは、ファインダー越しに覗いた瞬間に息をのんだ。 同社のT* Planar F1.4/50mmしかり、たっぷりと気合いが注がれた製品なのではないだろうか。


   ソニーの"FE"シリーズはロードマップ上の役者がほぼ揃い、ZEISSは今年中にLOXIAの広角レンズが登場しそうとの噂もあり、様々楽しませてもらえそう。
   レンズ選び、数値云々や評判も大事だが、レンズ越しに、作り手の「気合」と「物語」と「哲学」を感じ取るのも大事かな、と、あらためて思った次第。

   2015.04.24追記:
   何だこれ!? 4月23日付のDPReviewの記事にSony ZEISS T* Vario-Sonnar 2.8/24-70mm ZA SSM IIが載っていた。 Aマウントのレンズとのこと。


   何に驚いたかって、Carl Zeissのレンズが「バージョン・アップ」しちゃうところ。 Vario-Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM IIも発表されたようで、記事には「画質とAFの向上」とある。
   ライカのレンズにしても同名レンズが世代を重ねる事はあるし、普通に考えたら約7年半でのモデル・チェンジはあり得る話なのだが、今件から受ける印象にはどこか違和感が... .. Ver.Iの光学系は完成品ではなかっ...? いやいや単にAF機構との関係で再設っ.け..。 長いことそのままに性能を発揮し続けるCONTAX時代のVario-Sonnar 28-85mmのイメージがあるためだろうケド んー、...なんかどこかが不思議。 ただ - AF速度約4倍、防塵防滴化はなかなか魅力的な進化。