2015-08-10
Voigtländer Super Wide Heliar 15mm F4.5 Aspherical III
「不思議な性格のレンズだなぁ」というのが今のところの印象。
Ultron 21mmのようにコントラストで描き分ける画というよりは、光と影で描き分ける画という印象がある。 え? それって両方とも「コントラスト」では? という話になりそうなのだけど...、Ultron 21mmは、ハイキーに振れば素直にハイキーに、ローキーに振るとグッと明暗差が際立って黒く締まったシャドーには実には豊かな階調もあり、影で光を描いてゆくような面白さがある。 3号くらいのバライタ紙で焼いているのに近い感触を思う。 Super Wide Heliar 15mm F4.5 Asphelical VM IIIは、中間調に豊かに階調が乗り、光を捉えてゆくことで緩やかに暗部へ向いつつ影をうまく引き立てる面白さを思う。 デジタル・カメラでの使用を意識したとのことで後玉からセンサー面への光の入射角が考慮されたと言われる。 まさにデジタル・カメラの受像センサーに、画面全域で均一に階調豊富な光が降り注いでいる様子が思い浮かぶ。
このSuper Wide Heliar 15mm F4.5 Asphelical VM IIIは、Ver. IIから構成するレンズ数も多くなり筐体も大きくなり価格も上昇した。 発表されてから、これらがどのような変化に結びつくのかが非常に気になっていたのだが、「新たな設計の甲斐あって」と諸々に納得。
かつてのジャジャ馬感、Ultra Wide Heliar 12mmでは周辺の色被りは全く気にならないとの声を聞く一方で、S.W.H. 15mm Ver. IIは画像周辺の色被りの話を随分聞いた。 結論としては - Ver. IIIもシアン被りは出る。 しかし、Leica M8の話だが6 bit codeを認識させれば、殆どの条件下で全く気にならないレベルまで色被りは無くなる。
M8は、6 bit codeによってTri-Elmarとしてこのレンズを認識し、「16mmか、18mmか、21mmか?」 とのダイアログが電源ONで現れる。 16mmを選択しても、18mmを選択しても、両者の補正の差異は大差ない。 Ver. IIでは18mmをうっかり選んでしまうと補正が強すぎ、シアン被りはギットリ気味の赤-マゼンダに変わってしまったが、そうした極端に感じられる場面に遭遇することがなくなり、思う性質は「極めて素直」。
M8での設定は、レンズ検出: ON、UV/IRフィルター: ONにしている。
道端で目にした草の葉は、わりとまんま表現されたと思う。 シャープネスも心地よく、色味も中庸、葉と夕陽の関係はよく馴染んで見える。
ラベル:
Leica,
M8,
Photography,
voigtlander15F4.5iii