2014-08-28
2014-08-25
雑感 〜 Kodak 400CN
参照元:
http://www.shutterbug.com/
http://www.shutterbug.com/content/kodak-kills-professional-bw400cn-film
これ、なかなかショッキングなニュースだった。
「あー、まだこれ売ってるんだ」と、家電量販店のフィルム売り場でこの"400CN"を目にしてひと安心したのは、つい4日ほど前のことだった。
Kodak Alaris has announced that—due to a steady decline in sales and customer usage—it is discontinuing the popular Kodak Professional BW400CN film. Known as the world’s finest-grained chromogenic film, Kodak Professional BW400CN offers a high level of sharpness, smooth neutral tones, convenience of C-41 processing with great highlight and shadow detail: all factors that once made this film the favorite of many photographers.
Depending upon the demand, BW400CN film should be available for up to 6 months, Kodak Alaris said in a statement.
“We empathize with the Pro photographers and consumers who use and love this film, but given the significant minimum order quantity necessary to coat more product combined with the very small customer demand, it is a decision we have to make,” the Kodark Alris statement says.
The news comes on the heels of an announcement by Ilford that, contrary to some rumors, it would not be discontinuing its XP2 Super black-and-white film.
こうなってみると、「そうだよなぁ、C-41処理する白黒写真の色調って、デジタル処理で出そうだし」、「カラーフィルムで撮って白黒にデジタル処理すれば400CNっぽくなりそうだし」、「白黒フィルムはやっぱりカラーカプラーではなく、銀粒子のものを使ってください」ということか...。 デジタルカメラはと言えば、「陰」や「影」の世界に通じるCCDセンサー搭載機もそう多くはないし、CCD機は高価なものばかりだし。 かつて厳然としてあった「陰影礼賛」の世界は居場所を追われて見える。
その意味では「陰影」とはまた違った軟か目のトーンのフィルムなのだが、IlfordのXP1、XP2、そしてこの400CNは、その特殊性からくる存在感が大きかっただけにショックが大きい。
2014-08-17
2014-08-16
雑感 ~ OEM
思っていたよりもカメラの交換レンズの世界ではOEMが当たり前のようで、ネット上には関連情報がたくさん上がっていた。
かつてはソニーの"Handycam"が、"SONY"ブランドではタムロン製レンズ、"FUJICA"ブランドではフジノンが搭載され、その画質の差からフジ製カメラを薦める売り口上が聞かれたり、シグマがライカRボディー向けにズーム・レンズ1種を供給していたりという話がポツリポツリあった。そして近年では遥かにこうした協業的な動きが盛んなようだ。
ソニーの一眼レフ用のレンズなどは、てっきりかつてのミノルタの技術陣がフルに腕を振るっていると思いきや、その流れを汲むレンズも多く存在するようだがタムロンからのOEM供給も少なくないそうだ。 ただしCarl Zeissに関しては、ソニーによる自社設計・自社生産との事で、これは展示会でのソニーのスタッフの言からもそのように取れた。
ペンタックスへはトキナーから多くが供給され、中にはキヤノン・ニコンへもタムロンから供給があるという情報もあった。
面白いながら微妙な心持ちだったのが、京セラからツァイスとライカへのレンズ供給があるという話。 京セラは、その前身である富岡光学の技術力を得、かつてCONTAXブランドのCarl Zeissを製造していたわけで、この話通りならば、その「ツァイスならでは」という独特の描写を持つ血統にライカのレンズが同居しているという事になる。
数値的には両者の特性を作り分ける力は十分にあるメーカーだとは思うが、メーカーなりの味というのはどこかに現われる。 そのあたりが... どんな「らしさ」になって顕われてくるのだろうか。
更に微妙だったのが、ライカのMマウント・レンズで"ASPH."表記のものはシグマ製だという話。 念のため、これらの話はインターネット上の情報によるもので、メーカーからの確証があるわけではない。 が、気になっていた事とこれが僅かに合致する。
どうもライカのElmarit-M 28mm F2.8 Asph.の画質がしっくり来ない。 「現代レンズだからかな」「これはこれで受け入れないとかな」と思いながら使っているのだが、これまで使ったレンズのなかに、似た描写が思い当たる。 それはシグマのズーム・レンズで、個人的な意識としては同じ傾向を示さないハズのこの両者が似た画を導き出す事に違和感を感じている。
とはいえこのElmarit、レンズとしては段々に手に馴染み、目に馴染み、抜けもよくシャープで、白飛び・黒つぶれしにくく「ライカらしい」精度と描写が楽しめるのは事実で使用する頻度は高め。 (下の写真はElmarit-M 28mm F2.8 Asph.にて)
違和感というのは、シグマのズーム・レンズに感じる、どことなく塩ビのマット越しに見ているような、僅かに効いている透明感とプラスチック風な描写をこのElmaritに感じる点。 もうすこし重厚であり、色の情報量ももうちょっと多めというのがライカのレンズの印象である。
色のりというところでは、Summicron 50mm F2 あたりもさっぱりして見える。描写も極めて素直。 「ライカらしさ」は、やはり場の空気感の表現で、その画の情報量はかなり豊富。 これもまた新設計の現代レンズ。
つい「対して」と言いたくなるのが、この1世代前の1979年頃のSummicron 50mm F2。 比較的色のりよく、程よいヌケ、質感描写も落ち着いた陰影も好印象、空気の湿り気や温度まで写りそうな表現力。 そして逆の事を言うようだが「さっぱり」した絵柄の描写にも好感が持てる。「ライカの画」としてイメージするのは、どちらかというとこの傾向。
この違和感、近年のツァイス・レンズも同様である。 複数のメーカーで製造され、ツァイスの目に叶った製品群。 レンズの構成 - PlanarやSonnarという名称ごとに個性があるのはよしとして、そこには更に製造する各社なりの特徴も加味されてしまう。 もちろんそれが良い方向に効いているレンズは多く、面白みを足しているのも確か。 例えば、ソニー製のPlanar 1.4/50とコシナ製のPlanar 1.4/50を比較してどうのという世界。
そうした、ソニーとコシナという2社の「ツアイス」を「現行レンズ」として意識していた頃はそれでよかったが、更に他社製の「ツアイス」や各社のOEMの噂を耳にするにつれ、何となくではあるが「ツアイス」と言えどその像がぼやけて見えてきている。
その意味では、最近見たなかで「これはツァイスらしいなぁ」と感じたのは、とあるメーカー・デモで遭遇した、ARRIのALEXAに付けらていたPrimeくらい。
「味」だ何だという話と並んでよく聞くのが、「ライカ」だ「カール・ツァイス」だと、あれは「ただのブランドじゃないか」っていう声。 元々は国産・舶来の区別と、その大きな値段の差からそう言われて来たのだろう。
かつてあの赤い丸いロゴを、写真の道具としては邪道なのでは? と長いこと避けて歩いた経験から、気分としてはアリだと共感する。 そう思っていながらもなぜかSummicronには興味があったり、ツァイスは使ってみて面白さにはまった。 ペンタックスやオリンパスのカメラも面白かったし、仕事道具としてのニコンも面白かった。
そう振り返ってみてハタと思ったのは、光の入口であるレンズのOEM化も進み、機械的にも各メーカーの特色が薄れて見える気がする昨今、もしかして今、「ニコン・キヤノン? あれはただのブランドだから」になってはしないか? と。
なんだかんだと最後は ...「好み」という話なのかも。 でも、何をもって「好み」と言えるのかが難しい時なのかも。
「面白み」がどこかへ行ってしまうようなOEM体制にはなりませんように。
ラベル:
Carl Zeiss,
elmarit28F2.8,
Leica,
M8,
Photography
2014-08-14
雑感 〜 Carl Zeiss 'touit'
なんだか気になる「touit」シリーズ。 何がって、その製造元である。
発売当初は「シグマ製ではないか」という噂が多かったが、その件、発売から1年ほど経た今でも横っ腹あたりがこそばゆく、あらためて検索してみるとネット上で更にいくつか見解が見つかった。
以下はそれら「見解」の抜粋。 シグマという噂も多いなか、タムロン? や、富岡光学? といった興味深い単語もちらり。
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○ 「ごっさん居眠り中」(Blog) より
http://gossan.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/carl-zeiss-toui.html
2013-05-16
”...レンズに「Made in Japan」って書いてある。
ふと思い出したんです。この記事 ---
「京セラオプテック、カメラ用交換レンズの開発・製造を検討」 (デジカメWatch 2012/03/07)
「京セラオプテック」 - この会社こそかつて、京セラ「CONTAX」のレンズを製造していた会社であり、更に遡れば、今や伝説とも言われる「富岡光学器械製造所」を起源とする会社です。 日本に数あるレンズ製造会社の中でも、5本の指に入る凄い会社です。
「京セラオプテックには欧州の光学メーカー複数社からカメラ用交換レンズの完成品および部品・サブアセンブリの開発製造について打診があり、現在検討している段階という。」
こ、これはまさか! 「ヤシコン」の復活か!?”
○ 「Photo of the Day」 (Blog) より
http://thisistanaka.blog66.fc2.com/entry/771/
2013-06-04
”レンズの製造組み立てが「Made in Japan」ということで、ぼくはこれにも大変に興味を持った。というのも「Touit 2.8/12」はAF対応だし、極めて高度なレンズ製造技術を備えて仕上げられたところが各所に見られたからだ。それはともかく、いままでCarl Zeissレンズの多くを作ってきた国内レンズメーカーのコシナでもないことは確実(コシナがはっきりとそう言っている)。”
○ 「ちゅうぶる寫眞器BLOG」 より
http://chuburu-camera.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/touitoem-5e9b.html
2013-09-02
”フードの着脱がしにくい.特に逆付け時の取り外しには力の入れ方にコツが必要.なんだこれタムロンに似ているなぁとバヨネット形状を見てみると... 似てるでないの. タムロンは既にEマウントのレンズを出しているのでEマウントレンズは簡単に出せる. ということで私の結論は,
フジが企画してタムロンがOEM受託して作られたレンズ. これがTouitシリーズの正体だと思う.”
○ 「赤城耕一写真日録」 (Blog) より
http://redastle1.blog.so-net.ne.jp/2013-06-05
2013-06-05
”いまツァイスだからといって、純正レンズと比較して、特別に秀でた描写をするということはない。とくにこれらのレンズ描写はミラーレス専用機ということもあり、富士フイルムとソニーには、協力体制をとって製造されたというから、カメラ内での画像処理をいくらか加味(これはあくまでも推測である)して完成画像を形成していると思うので、レンズ性能が全てを決定するということでもないはずだ。”
(文脈から「富士フイルムとソニーには、協力体制を」の結果が、レンズ製造だったのか、画像処理機構への何らかの情報共有だったのかがいまひとつ掴めなかった)
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と、今もって様々な話が出ているようだ。 こうなると次の検索への興味は「OEM」あたり。 別段知らなくても良い事なのかもしれないが、知れば面白い事かもしれないし...。
ちなみに"Lens Tip.com" (下にURL) による試写を見て、「あぁ、シグマっぽい」という感触を持ったのだが、写っている建物の瓦の部分がやや流れて見えるという、シグマらしからぬ傾向も散見される。
http://www.lenstip.com/382.12-Lens_review-Carl_Zeiss_Touit_12_mm_f_2.8_Sample_shots.html
http://www.lenstip.com/386.12-Lens_review-Carl_Zeiss_Touit_32_mm_f_1.8_Sample_shots.html
"Steve Huff Photo"での作例は以下。
http://www.stevehuffphoto.com/2013/06/28/my-look-at-the-zeiss-touit-lenses-on-the-fuji-x-e1/
ちなみにこのレンズ、個人的には ...あんまり"Zeiss"的な魅力を感じていない。
ラベル:
Carl Zeiss,
Photography
2014-08-07
Yashica Carl Zeiss T* Tessar F2.8/35mm
8月7日は、なんと暦の上では「立秋」である。 というわけで、気が早いが秋の風景。
言われてみれば、8月後半の夕方の日差しは色濃くオレンジ色で、湿気を除いてしまえば紅葉を連想させる色調と言えなくは無いとも思う。 もしかすると小さい頃に感じていた、夏休みが終わろうとしている時期のどこか寂しい雰囲気は、実は秋の要素が多分に入り込んでいたからかもしれない。
オレゴン州 ウィラメット地方の秋は、少しだけしっとりと湿度を残した風景。
10月頃には広く分布する広葉樹が黄色くなり、早朝の森ならばそれが霧氷と朝日で光り輝き、夕方の街中では陽光を和らげ風景を照らす。
写真はもうすぐ冬を迎えようとする11月頃。 雨上がりのキャンパスでの1枚。
言われてみれば、8月後半の夕方の日差しは色濃くオレンジ色で、湿気を除いてしまえば紅葉を連想させる色調と言えなくは無いとも思う。 もしかすると小さい頃に感じていた、夏休みが終わろうとしている時期のどこか寂しい雰囲気は、実は秋の要素が多分に入り込んでいたからかもしれない。
オレゴン州 ウィラメット地方の秋は、少しだけしっとりと湿度を残した風景。
10月頃には広く分布する広葉樹が黄色くなり、早朝の森ならばそれが霧氷と朝日で光り輝き、夕方の街中では陽光を和らげ風景を照らす。
写真はもうすぐ冬を迎えようとする11月頃。 雨上がりのキャンパスでの1枚。
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