2015-10-22
雑感 〜 LEICA SL
35mm判フルサイズのミラーレス・カメラが2015年10月21日に発表された。 価格はボディが税抜92万円。 レンズ・マウントは「Lマウント」と呼ばれる新規格ながら形状は「Tマウント」互換とのこと。
このネーミングから、かつての「M型ライカとR型ライカ」のようなことを思う。 M型を作り続けていたライカだが、一眼レフ主流の世の中に送り出したのが"R型"だと記憶している。
この「SL」は、「ミラーレス一眼」で「35mm判フルサイズ・センサー」、そしてこの形状と、海外のサイトでは専ら「ソニー α7の競合相手」として取り上げられている。 そうは言ってもあまりに価格差が大きく、そのまま「競合相手」とは呼びにくい。
同社の中判デジタル・カメラである「Sシリーズ」はコマーシャルの世界をターゲットとしているのだろう。 そこからひと回り小さく、価格も半分以下となるのがこの「SLシリーズ」で、かつて欧米のファッション雑誌が35mm判フィルムを多用していた事を思うと、あくまで上位機種「Sシリーズ」と比較してという話だが、「SL」もそれなりにリーズナブルな価格に見え、仕事カメラの枠には入りそう。 「SL」は2,400万画素なので中判カメラとは捉えにくい。 うまく中判カメラとの棲み分けで利用してもらうイメージだろうか。
ライカと言えばまず「M型」を思い浮かべるのだが、こちらは2009年頃からじわじわと値を上げ、現行「M」(Typ.240)はざっくり軒並み100万円ほど。 「SL」の方が気持ち安価な設定となる。
ライカの、画質・独創的な世界ともに比類なく、どこか「絶対感」を思う存在なのだが、機械的・電気的・電子的な信頼性には疑問が残る。 というのは、もう7〜8年前の買い物になるが、今も多用するM型デジタルの初代「M8」が購入直後から不調続きで、この不安から仕事場での「Sシリーズ」導入を見送った事がある。 短命で高価では、「ここ一番」という場面での不具合発生と、その対処の可否に不安がついてまわりそうだからだ。
市場全般的にも「SL」の斬りこむ先はどこだろうか? カメラの安定性は"競合"と言われるソニー α7シリーズに軍配があがるだろうが、同シリーズには「仕事カメラ」の匂いがあまりしない。 いずれにしても、ライカは新世界の開拓に踏み出したと言えそう。さて、「SL」の行方は...。
● 以下はImpress デジカメWatchより:
撮像素子は、35mmフルサイズの2,400万画素CMOSセンサー。APS-Cクロップ時は1,000万画素記録となる。光学ローパスフィルターレス構造。感度設定範囲はISO50~50000。超音波式のセンサークリーニング機構を搭載する。
画像処理エンジンはLEICA MAESTRO II。バッファメモリーは2GB。連続撮影枚数はDNGで33枚、DNG+JPEGで30枚。DNGは14bit記録。
動画は4K解像度に対応。4,096×2,160/24fps、3,840×2,160/25fps・30fpsに対応。1080pおよび720pでは24fps・25fps・30fps・50fps・60fps・100fps・120fpsで記録できる。記録形式はMP4とMOV。
440万ドットの電子ビューファインダー。
EVFは0.66型440万ドットの「EyeResファインダー」を搭載。高解像度と表示タイムラグの短さを特徴とする。倍率は0.8倍。表示フレームレートは60fps。ライカSL専用に独自開発したという。
(オリンパスE-M1: 0.74倍、富士フイルムX-T1: 0.77倍、ソニーα7R II/α7S II: 0.78倍 )
液晶モニターはタッチパネル式の2.95型104万ドット。カメラ上面に、情報表示用のモノクロ液晶ディスプレイも備える。
バッテリーによる撮影可能枚数は約400枚。
外形寸法は147×104×39mm。重量は約771g(本体のみ)、847g(バッテリー含む)
● 以下は「デジカメInfo」より:
- AFは49点、コントラストAF
- 価格は6,900ユーロ
● 以下は「デジカメInfo」(上記と別記事)より:
Made in Germanyのミラーレスシステムカメラ「ライカSL」は、ライカならではの高品質な革新技術を取り入れたカメラ。2400万画素のフルサイズCMOSセンサーや高性能な電子ビューファインダーを搭載し、高性能なレンズ群との相乗効果により、圧倒的な描写力を発揮する。
0.11秒未満の高速オートフォーカスを実現。「ライカ アポ・バリオ・エルマリート SL f2.8-4/90-280mm」との組み合わせなら、一眼レフを含むプロ仕様のデジタルカメラでオートフォーカス性能は最速。
プロフェッショナル水準の4K動画が撮影できるので、本格的なビデオカメラとして映像制作者の厳しい要求にも応える。インターフェースにはHDMI1.4端子を採用しており、4:2:2 10bitの4K画質のプロ水準の映像を伝送できるほか、HDMIレコーダーと組み合わせることでプロ水準の映像を撮影・収録できる映像制作機材として活用できる。
Tレンズもマウントアダプターなしで使用可能。また、過去から現在までのライカの他のカメラシステムの高性能なレンズでも撮影できるように、各システム専用のマウントアダプターを用意。
ライカ バリオ・エルマリート SL f2.8-4/24-90mm ASPH.: 最短撮影距離はワイド端で0.3m、最大撮影倍率はテレ端で1:3.8。光学式手ブレ補正機構(OIS)も内蔵しており、シャッタースピード換算で最高3.5段分の補正効果が得られる。
ライカ アポ・バリオ・エルマリート SL f2.8-4/90-280mm: 新開発のダブルインナーフォーカス方式により、プロ仕様のカメラシステムで最速のオートフォーカス性能を実現。
ライカ ズミルックス SL f1.4/50mm ASPH.: 最高水準の光学性能と新たな基準を打ち立てるシャープな描写が特長のレンズ。光学系にはインナーフォーカス方式を採用しており、フォーカシングを行っても全長は変わらない。2016年末に発売予定。
2015-10-09
雑感 〜 Voigtländer auf E-mount
フォクトレンダーからEマウントのレンズが発表された。
あれは1年ほど前だったろうか、デジタル版のレンジファインダー型ツァイス・イコン・カメラの噂があったがその予兆だろうか。 ソニー製との事だったので、もし実現するならば、所謂「オールド・レンズ」への対応を考慮してソニー α7Sに近しいスペックになるのだろう。
今回は「フォクトレンダーからコンパクトなEマウント・レンズが発表される」という噂で、近年どんどん大型化するレンズのトレンドから一線を画した新しい流れかと期待したが、発表されたラインアップには標準レンズ付近の焦点距離はなく、以下の超広角レンズが。 LoxiaやBatis、ソニー系ZEISSにもラインアップの無いレンジなので、「事始め」としては「なるほど」な参入。
• 10 mm F 5,6 Hyper-Wide-Heliar
• 12 mm F 5,6 Ultra-Wide-Heliar
• 15 mm F 4,5 Super-Wide-Heliar
Voigtländerは、その独特な明暗の表現や、Color-Skopar 35mm F2.5 Type-Cのように空間表現の世界観が面白く、筐体がコンパクトに収まるならば28〜75mmあたりのEマウントへの参入も期待したいところ。
市場に登場するのは「2016年春」。 日本での発表は夏前頃か。 10mmのHyper-Wide-Heliarは、VMマウントも発表されるようだ。
2015-10-08
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