2016-09-03
2016-09-01
雑感 ~ 2016年8月頃の写真機事情、多々雑感。
-- 作成中 --
2016年8月までのこの期間、LeicaやHasselbladからの新製品の噂、ソニー「Aシリーズ」終息の噂、ソニーα7シリーズ用のマウント・アダプタの発表と、気になる動きが多かったように思う。
本ページ、偏向気味な個人のメモの寄せ集め。 情報収集に来られた方、..悪しからずですm(_ _)m。
Aシリーズは、ライブ・ビュー機能やEVFを採用するなど、現在の「ミラーレス一眼」の要素を早くも2003年頃から搭載してきた。 この流れの進化のように「α7シリーズ」ができ、「やや大型化する」と言われる「α9」が Aシリーズの貫禄を引き継いで旗艦機として次代の「ソニー α」を形成してゆくという流れはアリだと感じる。
「α7 mkIII」と「α9」登場の噂が持ち上がっているソニー。 α7RIIでは昨年2015年に4,000万画素を超え、α9は7,000万画素超えと言われる。 受像センサーはもちろん、シャッター機構の精度の向上など様々な延長上に「α9」が来るわけで、この「集大成」感は是非とも神経を研ぎ澄まして対峙してみたい。
4,000万画素で思い出すのは、2011年に登場したPENTAXの「645D」と2013年登場の同社「645Z」。 名の通り「6x4.5」サイズの中判フィルム・カメラにルーツを持つデジタル・カメラ。 受像センサーはKodak製CCDで、大きなセンサー・サイズと画素数が捉える質感描写は、やはり「中判」ならでは。 645D/Zを手にしたときの感触も、撮影にと向き合う適度な緊張と期待を体内から呼び起こす感じがする。 PENTAX 6x7がそうだったが、ばっちんばっちん攻めこむような心地よさがある。
Hasselbladから中判ミラーレスが発表された。 デザインをはじめ、様々にかつての500/503を意識してそうだが随分と雰囲気は異なる。
2016年5月27日、Leicaからは、なんと背面液晶画面がないデジタル・カメラ「M-D」が発売された。 「typ.262」と呼ばれるこの機種には、「Leica M」という名の背面液晶画面ありのモデルも存在する。
背面液晶画面ナシ。 撮影結果を確認できないという、まるでフィルム・カメラのような在り方で、その方向性、現像するまで仕上がりが分からない緊張感といった写真の楽しみ方に異論はない。 ただ経験上、液晶画面で動作状態が確認できないというのは、Leica製カメラとしては不安が大きい。 シャッターは普通に切れていたがデータは記録されていなかったとか、途中で画像確認できていればこの異変には気づいていたかも、とか。 実はLeicaこそ背面液晶画面が必須だと強く思ってしまう。
Typ.262のサンプルはインターネット上に多々見る事ができる。 総じて「さすがの質感描写」。 前作typ.240の印象と比較すると、ぐっと落ち着いた感がある。
Typ.262は見るからに実にシンプルな機械で、画像も完成度の高さを思う。 一応、typ.262も「LEICA M」という名称であり、性格は違えど typ.240と近い立ち位置にいるのだろう。 そしていま、新たに発表が期待されているのも「LEICA M」という名称であり、ISOダイアルが付くとか、背面液晶画面の大型化などが話題に上がっている。 様々に機能を盛り込んだ typ.240っぽくなるのか、全く別の「線」ができるのか、その落としどころは見どころ。
そして、より興味を惹かれるのが「M-E」の後継機の話。 名称は「M-SかM-E2か」。 何れでもよいがこの機、CCDセンサーを積むという。 実はLeica M typ.240が出たときにC-MOSセンサーになった事を随分と残念に感じてしまった。 もちろんC-MOSになろうが他の方式のセンサーになろうが、ライカらしさを失うことはないだろうし、typ.240は階調表現の滑らかさにその特徴をうまく出しているとは思う。
この「残念感」は、どうやらここ数年使い続けているCCDセンサー機「M8」の心象的な空間描写が、勝手に体に馴染んでしまったことに起因する。
M型初の35mm判フル・サイズ・センサー機となった「M9」の描写はよりクールになり、これまた違った世界観なのだが、この両者に見る「時間感」といった空気の重みを僅かに残す画作りこそ、「CCDセンサー機の特徴」であると同時に「ライカらしさ」だと感じていたようだ。
どちらのセンサーの優劣の話でもなく、次期「M型」にこの選択肢があるのは非常に面白い。
以下の画像は、次期「M-E」とされるもので、湾曲したボディや光沢のある金属のラインなど、これまでの「M」とは少し路線が異なルる印象。
ライカのCCD機、M9、M9-P、M-E、M Monochrome (初代M Monochromeのこと。 二代目のtyp.246はC-MOS) については、2014年12月頃に「センサーのコーティングが変質・剥離し、絞り込むと線が映り込む」、「撮画像に白点が現れる」という現象が確認された。 これが「新世代CCD開発により改善された」と聞いたのが2015年09月。
まずは問題解決の為だったのだろうが、ある意味CCDセンサーの開発を続けているわけで、この「問題解決」を弾みにしてCCD機がこの先も継続的に発表されると期待したい。
Leica M typ.262とM-Eの画像の差異、なかなかに微妙。
以下の"sample photos comparing files from the M-E and M262"には、Typ.262とM-Eとで同じ場所を撮影した画像が挙げられている。 どちらで撮られたかを気にせず、「好み」と感じた方をデジタル現像してみたところ、12シーン中 Typ.262が6枚、M-Eが6枚と、半々という結果だった。
○2016.12.31追記 ---
今月上旬にライカの販売店に立ち寄った。 そこで出たM型ライカの話のなかで、店員さんは「今後CCDセンサーを載せた機種は発売されません。 CCDは色々と不具合がありましたし、Kodakが製造を止めてしまったので作りようがありません」と断言されていた。
そして、「CCDセンサーは在庫が無くなって行きますから、それが終了したら修理は不可能です。 CMOSセンサーに置き換えるサービスなども不可能だと思います。 ですのでM8、M9のお客様には買い替えを勧めています」 ...「はい、電子機器ですから」と。
頑張って「デジタルM」ボディ1台を15年もたせるとして、自分はあと何十何年生きてるだろうか? うち、撮影〜デジタル現像を愉しめるのは何歳までだろうか? では、買い換えるとしたら何歳くらいがよいのか? 限られた懐具合・カメラのライフ・サイクル・自分のライフ・スパンとのご相談。 まさかカメラの購入にここまで考える要素があろうとは...。 この機械、この存在感の大きさは - 良くも悪くも...。
もう1つ。 「Leica T」 (Silver)が製造終了という話。 アルミ塊を削りだして作る贅沢なボディ。 発売当初に「これ、どれくらい作り続けるつもりだろうか?」とふと思ったのを思い出す。 APS-Cサイズのセンサーでレンズ交換が出来る小型軽量なボディ。 そしてシンプルで端麗なデザインには、M型とは違った所有感と撮り歩く楽しさを思う。
「T型」もまた新たな展開となるようで、そのデザインと素材がどのようになるのか? また、「コンパクト」カメラの在り方を含め、APS-Cセンサーの小型カメラの地図がどのように描かれるのかが楽しみ。
*Leica Qはフルサイズ・センサー搭載機
2016年に発売されたFEマウントのレンズは、Sony-ZEISS Diatagon 1.4/35、Sony-ZEISS Distagon 1.4/50、ZEISS Batis 2.8/18、Sony 24-70 F2.8 GM、Sony 70-300/4.5-5.6 G、Sony 50/1.8、Sony 85/1.4 GM、Sony 50/2.8 Macro... と、なかなかの豪華さ。 今後はコンパクトなレンズの発表にも期待したい。
また近く、Loxia 85mm、Batis 60mm Macroなど、合計5~6本が発表されるという噂もある。
さて少しライカのレンズにも触れてみると、SUMMICRON-M f2/35mm、SUMMICRON-M f2/28mm、ELMARIT-M f2.8/28mmが2016年03月にリニューアルされた。 この9月にはSUMMARON 28mm f5.6が発表されるとの噂がある。
先の3機種はフードの変更があり、'Cron 35mmは絞り羽根の変更、'Cron 28mmとELMARIT 28mmは歪曲収差の補正が成されたと言われる。 昨年リニューアルされたSUMMARIT-Mも、実はタル型収差の改善があった。 また、以前のELMARIT-M f2.8/28mm ASPH.には、Olympus E-M1やSony α7Sでフリンジが強く出た経験があり、実はこうした収差も改善対象だったのではないだろうか。
総体的に完成度の高いLeicaのレンズではあるが、更に次代へ馴染ませるための改変が進められているのだろう。
ちなみに、2010年頃の展示会でZMレンズについてコシナの方に質問したなかに、「(ZMシリーズの某レンズについて)再設計するつもりはない」と返答を頂いたことがある。 ZEISS(ソニー製ZEISSは含まない)という光学設計の哲学者(社)は、レンズ1機種1機種を「結論」として世に送り出すような傾向があり、その返答には一応「なるほど」。 既存レンズの「改変」よりはむしろ「新シリーズ」で応えるのが、特にここ10年ほどの流れと言える。
若干気になっているのは、この先、ZMシリーズに新たに大きな動きはあるのだろうかというあたり。
大雑把な感想だが、ZEISSのレンズは斬新さと正統性から来る「艶」、LEICAのレンズは正確さと確実性から「端正」という印象を持つ。 またある意味、ユーザーに対して前者は「提案型」、後者は「結論型」の完成度を思う。 ZEISSとLeicaのレンズは、開発者の目線とユーザーとの対峙目線とがちょうど対称的な図式と見えなくもない。
この両者、昨年頃からレンズのリニューアルがちらほら。 ZEISSでは"Classic"から"Milvus"への移行、Loxiaのこだわり、Batisの冒険があり、LEICAではSUMMICRON-M 35mmといった代表格の改変があった。 そうした今年、これまで好まれてきた「レンズの味」といった感覚は、よりシビアに歪のない「端正」な方向へとシフトしているのではないだろうか。
こうした改変は、単に高画素化するカメラへの対応というだけではないように感じる。 Leicaの「M型デジタル」発売から10年目の今年、歪みなく高精度な写真の世界が大きく歩を進めつつあるようで、気が早い話だが「写真世界の哲学」の、次の10年への思いを馳せる。 例えばLEICAには「LEICA色」を感じるが、画作りに一貫性を感じないメーカーもある。 気がつけば近年、多くのカメラ・メーカーで「フィルムの色」を必ずしも基準と考えていないように見え、自由に基準を動かせるデジタル故、次の10年では「基準の完成度」を、ボディ・レンズ共により問われそう。
マウント・アダプタも気になる製品が幾つか見られ、目立たないながら面白い存在がSIGMAの「MC-11」。 Sony α7シリーズのボディに対し、SIGMAマウントのレンズ用とCanon EFマウントのレンズ用の2種類が登場した。 Sony FEマウントのレンズの発売を計画していると噂のあったSIGMAから、半ば実験的とも取れる実質的なレンズ提供と言えてしまいそう。 このマウント・アダプターで新規のSIGMAユーザー獲得を期待しているのか、既存のSIGMAユーザーへの救済措置的なことなのか、そのどちらでもないのか、市場的にはどのような役割を果たしてゆくのかは興味をひかれる。
そして、Commlite製の「ENF-E」。 Sony α7シリーズでNikon Gレンズの絞りもAFもボディから制御できるアダプタが登場した。 NikonユーザーにとってはSony α7シリーズの「小型・軽量さ」を手に入れられるメリットがある。
とは言え、心情的には「Nikon好き」がSonyに移行するケースは少ないだろうし、その逆に、ZEISSをライン・アップし他社と一線を画す世界観を展開しているSonyのコンセプトに対して、わざわざNikkorを持ち込む意味もそれほど見いだせない。 価格はAmazonで約4万円。 ちょいと高い。
TECHARTのLM-EA7はちょっと変わり種で、Leica MマウントのレンズをAF化してしまおうというもの。 これも対象ボディはSony α7。 アダプターのレンズ・マウント部分が前後してピントを合わせる「力技」的なアダプタで、かつての「CONTAX AX」を思い出させた。
「CONTAX AX」はフィルム面、つまりカメラ本体の中身をごっそりと前後させてマニュアル・フォーカスのレンズ群をAF化する仕組み。 何とも大胆な発想には愉快さをも覚えてしまう。
ちなみにマウント・アダプタ、型式なのか個体差なのか「はずれ」に当ってしまうと、カメラ本体のバッテリを急速に消費したり、35mmフルサイズ用レンズをAPS-C用と誤認識したり、悪いとフルサイズとAPS-Cの検出を行ったり来たり。 偶発性を楽しむためなら十分「買い」だが、常用にはなかなか「難あり」。
たまたまそうした不具合のあるアダプタに当ってしまったのだが、安価だったこともあり諸々の手続きを思うと販売元に申し出る気力もなく、この分は 「ちゃんとしてそうな」アダプタの購入資金に充てた方がよかったのでは? との思いと共に、まだ手元でくすぶっている。
2008年、M8と一緒に予備として「BATTERY M8 (#14464)」という純正Li-ionバッテリを購入した。 都合2コ。 うち1コは3年ほどで容量抜け。 もう1コは新品に比べ60%程度の「持ち」に劣化はしているものの、8年ほど経った今でも活躍中。
予備のバッテリが無くては困るので、その後3コを購入。 1コは1年ほどで容量抜け、1コは3年弱が経った今で約50%弱の容量、1コは90%以上をキープ。 5コ中まともに動いているのは2コという結果。 発売から随分と月日が流れたが、この「BATTERY M8 #14464」の欠陥めいた状況は改善が見られない。 更に今年は日本全国で概ね品切れ。
「早々に容量抜けしてしまう高価な「BATTERY M8」は何か対応策はないものか? 予備が欲しくても日本ではいま手に入らない状況になっている。 電池がなくてはどうにもならない」とライカにメールを書いてみたところ、日本の販売店に発送しますと返ってきた。
「BATTERY M8」を馴染みの店に注文して2ヶ月以上が経っている。 微妙に急を要しないため、ライカの販売店に行ったり通販の手続きを踏むほど時間は割けず、「今更キャンセルでもないか」と微妙な心持ち。 さて、どうなることやら。
2016年8月までのこの期間、LeicaやHasselbladからの新製品の噂、ソニー「Aシリーズ」終息の噂、ソニーα7シリーズ用のマウント・アダプタの発表と、気になる動きが多かったように思う。
本ページ、偏向気味な個人のメモの寄せ集め。 情報収集に来られた方、..悪しからずですm(_ _)m。
● ● ● ● ● ● ● ● ● B O D Y ● ● ● ● ● ● ● ● ●
この8月、流れてきたのはSony Aシリーズ終焉の話。 Aシリーズは、ミノルタの「αシリーズ」の直系子孫にあたる。 ソニーにカメラの部門が買収された時の社名は「コニカミノルタ」で、旧コニカ、旧ミノルタの多くの技術陣が携わったとされるこのシリーズ、初代の「α100」は、形こそコニカミノルタの「α」そのままだが、性能的には意欲的なスペックだった。Aシリーズは、ライブ・ビュー機能やEVFを採用するなど、現在の「ミラーレス一眼」の要素を早くも2003年頃から搭載してきた。 この流れの進化のように「α7シリーズ」ができ、「やや大型化する」と言われる「α9」が Aシリーズの貫禄を引き継いで旗艦機として次代の「ソニー α」を形成してゆくという流れはアリだと感じる。
「α7 mkIII」と「α9」登場の噂が持ち上がっているソニー。 α7RIIでは昨年2015年に4,000万画素を超え、α9は7,000万画素超えと言われる。 受像センサーはもちろん、シャッター機構の精度の向上など様々な延長上に「α9」が来るわけで、この「集大成」感は是非とも神経を研ぎ澄まして対峙してみたい。
4,000万画素で思い出すのは、2011年に登場したPENTAXの「645D」と2013年登場の同社「645Z」。 名の通り「6x4.5」サイズの中判フィルム・カメラにルーツを持つデジタル・カメラ。 受像センサーはKodak製CCDで、大きなセンサー・サイズと画素数が捉える質感描写は、やはり「中判」ならでは。 645D/Zを手にしたときの感触も、撮影にと向き合う適度な緊張と期待を体内から呼び起こす感じがする。 PENTAX 6x7がそうだったが、ばっちんばっちん攻めこむような心地よさがある。
Hasselbladから中判ミラーレスが発表された。 デザインをはじめ、様々にかつての500/503を意識してそうだが随分と雰囲気は異なる。
Hasselblad X1D and "V-System" 500 Series
2016年5月27日、Leicaからは、なんと背面液晶画面がないデジタル・カメラ「M-D」が発売された。 「typ.262」と呼ばれるこの機種には、「Leica M」という名の背面液晶画面ありのモデルも存在する。
背面液晶画面ナシ。 撮影結果を確認できないという、まるでフィルム・カメラのような在り方で、その方向性、現像するまで仕上がりが分からない緊張感といった写真の楽しみ方に異論はない。 ただ経験上、液晶画面で動作状態が確認できないというのは、Leica製カメラとしては不安が大きい。 シャッターは普通に切れていたがデータは記録されていなかったとか、途中で画像確認できていればこの異変には気づいていたかも、とか。 実はLeicaこそ背面液晶画面が必須だと強く思ってしまう。
Typ.262のサンプルはインターネット上に多々見る事ができる。 総じて「さすがの質感描写」。 前作typ.240の印象と比較すると、ぐっと落ち着いた感がある。
Typ.262は見るからに実にシンプルな機械で、画像も完成度の高さを思う。 一応、typ.262も「LEICA M」という名称であり、性格は違えど typ.240と近い立ち位置にいるのだろう。 そしていま、新たに発表が期待されているのも「LEICA M」という名称であり、ISOダイアルが付くとか、背面液晶画面の大型化などが話題に上がっている。 様々に機能を盛り込んだ typ.240っぽくなるのか、全く別の「線」ができるのか、その落としどころは見どころ。
Leica typ.262 samples by Kasyapa, Photo Yodobashi and Jim Arnold
そして、より興味を惹かれるのが「M-E」の後継機の話。 名称は「M-SかM-E2か」。 何れでもよいがこの機、CCDセンサーを積むという。 実はLeica M typ.240が出たときにC-MOSセンサーになった事を随分と残念に感じてしまった。 もちろんC-MOSになろうが他の方式のセンサーになろうが、ライカらしさを失うことはないだろうし、typ.240は階調表現の滑らかさにその特徴をうまく出しているとは思う。
この「残念感」は、どうやらここ数年使い続けているCCDセンサー機「M8」の心象的な空間描写が、勝手に体に馴染んでしまったことに起因する。
M型初の35mm判フル・サイズ・センサー機となった「M9」の描写はよりクールになり、これまた違った世界観なのだが、この両者に見る「時間感」といった空気の重みを僅かに残す画作りこそ、「CCDセンサー機の特徴」であると同時に「ライカらしさ」だと感じていたようだ。
どちらのセンサーの優劣の話でもなく、次期「M型」にこの選択肢があるのは非常に面白い。
以下の画像は、次期「M-E」とされるもので、湾曲したボディや光沢のある金属のラインなど、これまでの「M」とは少し路線が異なルる印象。
ライカのCCD機、M9、M9-P、M-E、M Monochrome (初代M Monochromeのこと。 二代目のtyp.246はC-MOS) については、2014年12月頃に「センサーのコーティングが変質・剥離し、絞り込むと線が映り込む」、「撮画像に白点が現れる」という現象が確認された。 これが「新世代CCD開発により改善された」と聞いたのが2015年09月。
まずは問題解決の為だったのだろうが、ある意味CCDセンサーの開発を続けているわけで、この「問題解決」を弾みにしてCCD機がこの先も継続的に発表されると期待したい。
Leica M typ.262とM-Eの画像の差異、なかなかに微妙。
以下の"sample photos comparing files from the M-E and M262"には、Typ.262とM-Eとで同じ場所を撮影した画像が挙げられている。 どちらで撮られたかを気にせず、「好み」と感じた方をデジタル現像してみたところ、12シーン中 Typ.262が6枚、M-Eが6枚と、半々という結果だった。
○2016.12.31追記 ---
今月上旬にライカの販売店に立ち寄った。 そこで出たM型ライカの話のなかで、店員さんは「今後CCDセンサーを載せた機種は発売されません。 CCDは色々と不具合がありましたし、Kodakが製造を止めてしまったので作りようがありません」と断言されていた。
そして、「CCDセンサーは在庫が無くなって行きますから、それが終了したら修理は不可能です。 CMOSセンサーに置き換えるサービスなども不可能だと思います。 ですのでM8、M9のお客様には買い替えを勧めています」 ...「はい、電子機器ですから」と。
頑張って「デジタルM」ボディ1台を15年もたせるとして、自分はあと何十何年生きてるだろうか? うち、撮影〜デジタル現像を愉しめるのは何歳までだろうか? では、買い換えるとしたら何歳くらいがよいのか? 限られた懐具合・カメラのライフ・サイクル・自分のライフ・スパンとのご相談。 まさかカメラの購入にここまで考える要素があろうとは...。 この機械、この存在感の大きさは - 良くも悪くも...。
もう1つ。 「Leica T」 (Silver)が製造終了という話。 アルミ塊を削りだして作る贅沢なボディ。 発売当初に「これ、どれくらい作り続けるつもりだろうか?」とふと思ったのを思い出す。 APS-Cサイズのセンサーでレンズ交換が出来る小型軽量なボディ。 そしてシンプルで端麗なデザインには、M型とは違った所有感と撮り歩く楽しさを思う。
B&H Photo-Video Inc. WebSiteより
「T型」もまた新たな展開となるようで、そのデザインと素材がどのようになるのか? また、「コンパクト」カメラの在り方を含め、APS-Cセンサーの小型カメラの地図がどのように描かれるのかが楽しみ。
*Leica Qはフルサイズ・センサー搭載機
● ● ● ● ● ● ● ● ● L E N S ● ● ● ● ● ● ● ● ●
レンズに目を向けてみると、ソニー FEマウント関連では「G」レンズがやや目立ったのではないだろうか。 解像力と、どこかミノルタっぽい柔和なボケ味の同居と、ZEISSとはまた違った持ち味に魅力を感じる。 興味深いのは、ミノルタにはLeicaとの共同開発の経験があるところ。2016年に発売されたFEマウントのレンズは、Sony-ZEISS Diatagon 1.4/35、Sony-ZEISS Distagon 1.4/50、ZEISS Batis 2.8/18、Sony 24-70 F2.8 GM、Sony 70-300/4.5-5.6 G、Sony 50/1.8、Sony 85/1.4 GM、Sony 50/2.8 Macro... と、なかなかの豪華さ。 今後はコンパクトなレンズの発表にも期待したい。
また近く、Loxia 85mm、Batis 60mm Macroなど、合計5~6本が発表されるという噂もある。
さて少しライカのレンズにも触れてみると、SUMMICRON-M f2/35mm、SUMMICRON-M f2/28mm、ELMARIT-M f2.8/28mmが2016年03月にリニューアルされた。 この9月にはSUMMARON 28mm f5.6が発表されるとの噂がある。
先の3機種はフードの変更があり、'Cron 35mmは絞り羽根の変更、'Cron 28mmとELMARIT 28mmは歪曲収差の補正が成されたと言われる。 昨年リニューアルされたSUMMARIT-Mも、実はタル型収差の改善があった。 また、以前のELMARIT-M f2.8/28mm ASPH.には、Olympus E-M1やSony α7Sでフリンジが強く出た経験があり、実はこうした収差も改善対象だったのではないだろうか。
総体的に完成度の高いLeicaのレンズではあるが、更に次代へ馴染ませるための改変が進められているのだろう。
ちなみに、2010年頃の展示会でZMレンズについてコシナの方に質問したなかに、「(ZMシリーズの某レンズについて)再設計するつもりはない」と返答を頂いたことがある。 ZEISS(ソニー製ZEISSは含まない)という光学設計の哲学者(社)は、レンズ1機種1機種を「結論」として世に送り出すような傾向があり、その返答には一応「なるほど」。 既存レンズの「改変」よりはむしろ「新シリーズ」で応えるのが、特にここ10年ほどの流れと言える。
若干気になっているのは、この先、ZMシリーズに新たに大きな動きはあるのだろうかというあたり。
大雑把な感想だが、ZEISSのレンズは斬新さと正統性から来る「艶」、LEICAのレンズは正確さと確実性から「端正」という印象を持つ。 またある意味、ユーザーに対して前者は「提案型」、後者は「結論型」の完成度を思う。 ZEISSとLeicaのレンズは、開発者の目線とユーザーとの対峙目線とがちょうど対称的な図式と見えなくもない。
この両者、昨年頃からレンズのリニューアルがちらほら。 ZEISSでは"Classic"から"Milvus"への移行、Loxiaのこだわり、Batisの冒険があり、LEICAではSUMMICRON-M 35mmといった代表格の改変があった。 そうした今年、これまで好まれてきた「レンズの味」といった感覚は、よりシビアに歪のない「端正」な方向へとシフトしているのではないだろうか。
こうした改変は、単に高画素化するカメラへの対応というだけではないように感じる。 Leicaの「M型デジタル」発売から10年目の今年、歪みなく高精度な写真の世界が大きく歩を進めつつあるようで、気が早い話だが「写真世界の哲学」の、次の10年への思いを馳せる。 例えばLEICAには「LEICA色」を感じるが、画作りに一貫性を感じないメーカーもある。 気がつけば近年、多くのカメラ・メーカーで「フィルムの色」を必ずしも基準と考えていないように見え、自由に基準を動かせるデジタル故、次の10年では「基準の完成度」を、ボディ・レンズ共により問われそう。
Leica WebSiteより
● ● ● ● ● ● ● ● ● MOUNT ADAPTER ● ● ● ● ● ● ● ● ●
マウント・アダプタも気になる製品が幾つか見られ、目立たないながら面白い存在がSIGMAの「MC-11」。 Sony α7シリーズのボディに対し、SIGMAマウントのレンズ用とCanon EFマウントのレンズ用の2種類が登場した。 Sony FEマウントのレンズの発売を計画していると噂のあったSIGMAから、半ば実験的とも取れる実質的なレンズ提供と言えてしまいそう。 このマウント・アダプターで新規のSIGMAユーザー獲得を期待しているのか、既存のSIGMAユーザーへの救済措置的なことなのか、そのどちらでもないのか、市場的にはどのような役割を果たしてゆくのかは興味をひかれる。
そして、Commlite製の「ENF-E」。 Sony α7シリーズでNikon Gレンズの絞りもAFもボディから制御できるアダプタが登場した。 NikonユーザーにとってはSony α7シリーズの「小型・軽量さ」を手に入れられるメリットがある。
とは言え、心情的には「Nikon好き」がSonyに移行するケースは少ないだろうし、その逆に、ZEISSをライン・アップし他社と一線を画す世界観を展開しているSonyのコンセプトに対して、わざわざNikkorを持ち込む意味もそれほど見いだせない。 価格はAmazonで約4万円。 ちょいと高い。
TECHARTのLM-EA7はちょっと変わり種で、Leica MマウントのレンズをAF化してしまおうというもの。 これも対象ボディはSony α7。 アダプターのレンズ・マウント部分が前後してピントを合わせる「力技」的なアダプタで、かつての「CONTAX AX」を思い出させた。
「CONTAX AX」はフィルム面、つまりカメラ本体の中身をごっそりと前後させてマニュアル・フォーカスのレンズ群をAF化する仕組み。 何とも大胆な発想には愉快さをも覚えてしまう。
ちなみにマウント・アダプタ、型式なのか個体差なのか「はずれ」に当ってしまうと、カメラ本体のバッテリを急速に消費したり、35mmフルサイズ用レンズをAPS-C用と誤認識したり、悪いとフルサイズとAPS-Cの検出を行ったり来たり。 偶発性を楽しむためなら十分「買い」だが、常用にはなかなか「難あり」。
たまたまそうした不具合のあるアダプタに当ってしまったのだが、安価だったこともあり諸々の手続きを思うと販売元に申し出る気力もなく、この分は 「ちゃんとしてそうな」アダプタの購入資金に充てた方がよかったのでは? との思いと共に、まだ手元でくすぶっている。
● ● ● ● ● ● ● ● ● OTHERS ● ● ● ● ● ● ● ● ●
ここ数年で不安が増していることがある。 それは、Leica M8用バッテリの性能と供給状況。2008年、M8と一緒に予備として「BATTERY M8 (#14464)」という純正Li-ionバッテリを購入した。 都合2コ。 うち1コは3年ほどで容量抜け。 もう1コは新品に比べ60%程度の「持ち」に劣化はしているものの、8年ほど経った今でも活躍中。
予備のバッテリが無くては困るので、その後3コを購入。 1コは1年ほどで容量抜け、1コは3年弱が経った今で約50%弱の容量、1コは90%以上をキープ。 5コ中まともに動いているのは2コという結果。 発売から随分と月日が流れたが、この「BATTERY M8 #14464」の欠陥めいた状況は改善が見られない。 更に今年は日本全国で概ね品切れ。
「早々に容量抜けしてしまう高価な「BATTERY M8」は何か対応策はないものか? 予備が欲しくても日本ではいま手に入らない状況になっている。 電池がなくてはどうにもならない」とライカにメールを書いてみたところ、日本の販売店に発送しますと返ってきた。
「BATTERY M8」を馴染みの店に注文して2ヶ月以上が経っている。 微妙に急を要しないため、ライカの販売店に行ったり通販の手続きを踏むほど時間は割けず、「今更キャンセルでもないか」と微妙な心持ち。 さて、どうなることやら。
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