2015-09-16

Voigtländer Color-Skopar 21mm F4 P


   この日はたぶん、映画「Paris, Texas」を観に行った日。 何気なく立ち寄った公園での1枚。 白い花をつけているのはキミガヨランという不思議な名前の植物で、ひと昔前は、なぜか公共施設の植え込みにこれを目にする機会が多かったように思う。 ヤツデやシュロも同様の印象だが最近は目にすることが減ったようにも感じる。 たぶん何となく - 歳月を遡る深層心理からの1カットなのかも。

   「Paris, Texas」は、1984年の公開以来ずっと興味はあったのだが観る機会は無く、あまりにその「ずっと」感が長くなってゆく分、VHSでもDVDでも借りる気も遠ざかっていた。
   そうしたある時、劇場で上映されることを知り、東京・高田馬場の映画館「早稲田松竹」へ向かった。

   映画は西ドイツ(制作当時)とフランスの共同制作だそうだ。 音楽はライ・クーダー。 ボトルネック奏法で知られるテネシーの... と言いたいところだが、出身はロスアンゼルスのギター奏者。

   映画の舞台はアメリカだが、所謂アメリカ映画とはひと味ちがった空気感と後味だった。
   近い雰囲気と言えば、あまり趣味ではないが「Rain Man」あたりだろうか。 不思議な空気感の映画で思い出すのは「Bagdad Cafe」や「Fandango」、「In the Valley of Elah(告発のとき)」とか。

2015-09-12

雑感 〜 ZEISS Milvusの発表

   「秋の新商品」的な、
   ...時期なのだろう。 写真をまとめて多めにアップ・ロードしたいと思っているところにZeissの新製品(2015-09-11発表) の記事が目に入ってしまった。 ...のでアップ。


   Zeissについては「Loxiaに新しく広角レンズが加わる」との噂に脳みその90%方を因われていたところにキヤノン・ニコン向け新レンズの発表。 興味はもっぱらMマウントとFEマウントなのであまり触手は動かなかったが、Impress デジカメWatchの記事の見出しが気になった。
   それが、「コシナは、カールツァイスと共同開発した...」という言い回し。 レンズのキャラクターとしてより「コシナ色」が強いのか、「コシナが作った」を強調したいのか。 「ZEISSがそう言った」わけではないのでどちらでもよいと言えばそうなのだけど...、と思いながらも軽く違和感。
   Batisシリーズ発表時の「NEW PRO ERA」というフレーズに感じた「挑戦」や「意気込み」とは少し異なり、「ごくスタンダードなライン・アップですよ」といった空気を感じる。
   収差を追い込み、逆光の光源さえも写し取り、コントラストで瞬間を魅せる、ZEISSらしい完成度を持つ「スタンダード」、な、ラインアップである。
   ニコン・キヤノンのボディで当たり前のようにZEISSの世界を体感出来る、これら新設計・または"Classic"シリーズからブラッシュ・アップされた"Milvus"の存在は実に意義深くある。 後にZEISS Milvus 1.4/50のウェブ・サイトへ行ってびっくり。 コンセプトは"More Than a Standard Lens"と。 まさに「標準を超える標準」という堅実さ・精彩さを連想させる語感。
   ちなみにグランド・コンセプトは「AMBITION」。 "Milvus"とは、欧州に生息する「トビ」の一種らしい。

Milvus 2.8/21(20万8,000円) Milvus 2/35(12万4,000円)
Milvus 1.4/50(14万8,500円) Milvus 1.4/85(20万5,000円)
Milvus 2/50M(15万1,000円) Milvus 2/100M(21万4,500円)

   以下の画像はflickerのZEISSのページより。
 

   小さなサイズで観る画像ながら、6K対応という解像度が描き出す緻密さはZEISSの「新境地」を思わせる。 「レンズの味」が売りのひとつであるZEISSだが、案外「味 = 収差」だったりもする。 その収差を極限に抑えつつZEISSらしいトーンをしっかり表現するところはまさに技術力。
   ZEISSと言えば"Planar"や"Distagon"といったレンズ構成ごとの名称だが、Milvusではこれがデータ・シートにちょこっと表記されている程度であまり前に出てこない。 レンズ構成の表示を見ると、例えば「1.4/50」はDistagonなのだが、Planarっぽさが同居し、加えてDistagon 1.4/35 ZMやUltron 35/1.7 Vintage Lineで用いた手法が顔をのぞかせている風で、コシナのアイディアが多分に盛り込まれているようにも感じるが、これは「35mm判フルサイズ・センサー」という時代的な事情を反映した故のレンズ設計なのだろう。 収差を抑える工夫満載であろうそのレンズ構成から、実は"Milvus"は - ZEISSがいよいよ新たな時代に入ったという象徴的なシリーズなのではないだろうか。
   Yashica-CONTAXの頃のCarl Zeissに似た手応えの"Loxia"、新たな挑戦を試みる"Batis"、新時代を拓きはじめた"Milvus"。 そうしたイメージを持った。
   特に新設計だという、Milvus 1.4/50mm (Distagon)、1.4/85mm (Planar) の今後の評判が楽しみ。

    *ZEISS MilvusとSony A7SIIの話題を、両者同日の発表事項だった事もあり本Blogで同日枠で掲載させて頂いておりましたが、性質が大きく異るため別項とさせて頂きました。(2015年10月17日)

2015-09-11

雑感 〜 ソニー α7SII 発表

   楽しみにしていたソニー α7SIIが海外で発表された。 (2015-09-11)


   まずはソニーのウェブ・サイトより:
   記事のタイトルは "Sony expands range of compact full-frame mirrorless cameras with the launch of the ultra-sensitive α7S II"、キャッチフレーズは"Out of darkness cometh light" 〜 暗闇の中から光を見出す、あたりの意味だろうか。
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   以下にスペック:
・Ultra-high sensitivity up to 409600i with low noise across the whole range
・Wide dynamic range across entire ISO range delivering smooth tonal gradation from dark to bright conditions
・In-camera 5-axis optical image stabilisation for expanded shooting possibilities
・Internal 4K movie recording featuring full pixel readout without pixel binning in full-frame format
・Wide range of professional movie functionality including S-Gamut3.Cine/S-Log3, new Gamma Assist Display, enhanced Zebra Function, Full HD 120fps recording and 4x/5x slow motion recording and full pixel readout without pixel binning in full-frame format
・High-speed AF with enhanced accuracy in wide ranging scenes and advanced shooting functions
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   そしてImpress デジカメWatchのウェブ・サイトより(抜粋):
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   ソニーは9月11日、ミラーレスカメラ「α7S II」を欧州で発表した。11月に3,400ユーロで発売する。国内での発売は未定。
   2014年6月に発売した「α7S」の後継とみられるモデル。α7Sは、α7シリーズのうち画素数を抑えてダイナミックレンジや高感度画質を高めたモデルで、α7S IIは35mmフルサイズの1,220万画素センサーや最高ISO409600の高感度撮影機能などを継承している。 その上で、α7 IIやα7R IIと同じ5軸手ブレ補正機構を新搭載した。
   AFはファストインテリジェントAFで、AFポイントは従来の25点から169点に増えた。動体に対するAF速度は従来比2倍になったという。
   EVFは約0.71倍から約0.78倍のOLED(有機EL)になった。
   従来は外部レコーダーが必要だった4K動画を本体のみで撮影可能になった。動画は全画素読み出しとしている。120fpsの高速度撮影にも対応した。
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   強化・追加されたのは: 手ブレ補正、AF速度、4K動画記録、EVFなど、一方で1,200万という画素数はそのまま。
   多くの人が期待していたのが画素数のUPだとして、その点では「α7S (Mk I)で十分かな」と感じてしまうのはごく自然な流れ。 もしα7Sとの比較でα7SIIに価値を見出せと言われれば、ペンタプリズム部の形状と質感、より光学ファインダーっぽい視界が期待できそう、且つ目の疲れ具合の緩さも期待出来そうなEVF、新開発に見えるシャッター・ユニット(α7Sの写真機的な音も捨てがたいが、「高耐久性」と「高精度な作り込み」を思わせるα7RIIのシャッター音はすこぶる気に入った - おそらくA7SIIも同様の造り)といったあたり。
   手振れ補正の搭載については、まんま「手ぶれ補正」であるほか、これまで「撮影感度をとにかく上げてシャッター速度をかせぐ」撮り方から、「より低感度で撮影し、低ノイズでダイナミックレンジをかせぐ」へのシフトと捉えると、撮影に向ける心持ちが「じっくり」になるという印象。 それは被写体への気持ちの移入 - 例えば "Stop, Look and Listen. ..Spend time looking at things and admiring them. Do not rush. Take your time and stop look and listen..." といった風で、正当進化と受け止めた。 もちろん暗所での撮影チャンス、表現チャンスが広がるのだから、それだけでも「α7S」の正当進化であるのは間違いない。

   そして €3,400という価格は、今時点のレート換算で¥464,674となり、はじめの印象は「この値段だと他にも選択肢はありそうだなぁ」と。 動画に強い「α7M」とかを別に作ったほうが良かったような...。 そもそも動画撮るなら、やや高価にはなるがFS5やFS7で良いような...。 本来は要らぬ悩みが頭をかすめ飛ぶ。
   米B&H Photoでの価格表示は$2,999で、$1=¥125で換算すると¥374,875。 α7Sが$2,498なので¥312,250。 その差¥62,625となり、これはこれで「なるほど」。 ちなみにα7RIIの発表はボディ価格$3,200で当初の実売は¥426,800前後。
   さて一方、東京・中野のフジヤカメラでは、α7Sの、Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS [SEL2470Z]とのセット販売で¥274,800。 これに先ほどの差額をざっくり¥62,625足すと¥337,425。 レンズは約¥110,000。 と考えると、その対比がそのまま成り立つわけではないと思いつつ、それほどベラボーな価格にはならなそうな気配も。
   とりあえず国内発表と店頭価格を待ってみてからアレコレ考えることにして。 とりあえずどこかで実機を体感してみたい。

   ○2015.09-17追記 ---
   ブログ「デジカメInfo」にて、α7SII・α7RII向けの14bit RAWと、Loxia 21mmと思われる新レンズの噂が掲載された。 Bit数の増加は表現出来る色の数に直結する。 Loxiaは21mmとの事だが、撮影画像の周辺光量落ちや偏色・滲みをどうZEISSが作り込んだのかに興味津々。 ということで以下に転載。

   参照元: http://www.dpreview.com/articles/7665355870/sony-brings-uncompressed-raw-to-a7s-ii-and-a7r-ii

   参照元: http://www.sonyalpharumors.com/sr5-new-sony-fe-and-zeiss-fe-lenses-coming-in-1-month-exactly-one-is-the-21mm-loxia/

   ○2015.09-18追記 ---
   フジヤカメラのウェブ・サイトに価格デマシタ --- ¥407,160。 Oh Myyy...。 10月16日発売予定とのこと。

    *ZEISS MilvusとSony A7SIIの話題を、両者同日の発表事項だった事もあり本Blogで同日枠で掲載させて頂いておりましたが、性質が大きく異るため別項とさせて頂きました。(2015年10月17日)